シャンチー(象棋)インターネット大会”橘梅杯”の棋譜紹介【所司和晴選手対蘇俊豪選手】

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今回は週末に行われたシャンチー(象棋)インターネット大会”橘梅杯”の棋譜を紹介します!

今回紹介する棋譜は所司先生の解説入り棋譜です!

みなさま、是非お楽しみ下さい^^

〇試合結果

「第1回インターネット大会 橘梅杯」、阮黄燕さんが優勝!
2022年7月3日、シャンチー(象棋)オープントーナメント 「第1回インターネット大会 橘梅杯」が開催されました。今大会には36名が参加し、スイス式5Rの後、上位2名による優勝決定戦が行われた結果、予選1位通過の阮黄燕選手が優勝に決定しました。

今回の大会はインターネットで行われました!そのため、以前日本にお住まいでした李軍さんや楊威軍さんと言った中国在住のシャンチー仲間の皆さんにもご参加頂けたので、とても盛り上がりました!

ちなみに天津にお住まいの李軍さんとは別でも交流会を開催しています^^その時の棋譜も所司先生に頂いて紹介していますので是非ご覧下さい♪

はじめに

今回の橘梅杯には、優勝されたインちゃんことベトナムの阮黄燕選手をはじめとし、準優勝の謝汶諭選手(台湾)や蘇俊豪選手(マカオ)等、国際的に活躍されている選手が多く参加されました!

インちゃんはみなさんご存知の通り私のお友達です^^日本でネット大会をやるので時間があれば一緒に交流しませんか~と言うお誘いに快諾して下さり、ご参加頂きました( *´艸`)

また、謝汶諭選手は台湾が力を入れて育成している若手選手です!(2019年のカナダの世界選手権にもジュニアで参加されました!)

今回はマカオの若手強豪選手である蘇俊豪選手と所司先生の棋譜の紹介になります^^

蘇俊豪選手はマカオの期待の若手選手です!今回もスイス式5Rの予選賽では8P選手が多くいたのですが、蘇俊豪選手もその一人です!(ちなみに1R目は日本の酒井さんとあたり熱戦でしたが、引き続き2R目で所司先生との対局でしたので、蘇俊豪選手もなかなかきついあたりをしていましたが、それでも見事に8P獲得されました!)

日本はマカオのジュニア選手とはこれまでにも多くの交流会をしてきましたが、 蘇俊豪選手との対局はいつも熱戦がいっぱいです!!可児さんや所司先生との対局はいつもとても盛り上がっています!

今回はそんな蘇俊豪選手との対局を所司先生の解説入りでお楽しみ下さい!(^^)!

棋譜紹介

(こちらからは所司先生の解説になります。)

日期: 2022.7.3

紅方:所司和晴

黑方:蘇俊豪

結果:和

第1回インターネット橘梅杯の2回戦でマカオの強豪の蘇俊豪選手と当たりました。

若い蘇選手とは世界選手権で初めて対戦し、その後はマカオとの団体交流戦で5局以上対戦してきましたが、実力の向上が著しく最近は非常に苦戦しています。

この大会は持ち時間は20分10秒加算です。

   1. 相三進五  馬2進3     2. 兵七進一  炮8平5

私の紅方で、布局は飛相局に右起馬局から左中炮になりました。

   3. 馬八進七  馬8進7     4. 馬二進三  車9平8

   5. 車一平二  車8進4     6. 炮二平一  車8進5

   7. 馬三退二  車1進1     8. 車九進一  車1平8(第1図)

(第1図)

黒方は左の馬が窮屈ですが、車8進4で卒3進1を目指し、本譜の炮二平一に車交換して車1進1で横車にすると、紅方の右辺が手薄になっていますのである程度指されている布局です。

私は紅方で経験豊富な形なので、いい内容が指せそうな期待がありました。

第1図で馬二進三は車8進6の両取りがありますので、馬二進四がこの一手ですが、意外に耐久力があります。

むしろ車1平8では違う指し手の方が有力な可能性もあります。

9. 馬二進四  卒7進1    10. 車九平六  炮5平6

第9回合の馬二進四に蘇選手はかなり考えられました。

一見車8進7と指すと馬の動きをけん制しているようですが、車九平六のあと炮八退一としておきます。すると車の素抜き筋があり、士4進5にも車六進八と車を捨てて炮八平二と取り返すと紅方の方が駒の働きで指せる形になります。

第10回合の車九平六に炮5平6は手損で指しにくいですが粘り強い手です。次に車8進7として、炮八退一に馬7進6という筋があります。今度は車を切って炮八平二としても炮6進6と馬を取る手があります。

  11. 炮一平三  象7進5    12. 兵三進一  車8進3

第11回合で私の方は炮八退一ではぬるいとみて、炮一平三で勝負しました。象7進5に兵三進一と突いていい調子になりました。車8進3に炮八進一が面白い動きで、次の兵三進一車8平7馬四進三が受けにくい形です。

  13. 炮八進一  馬7進6    14. 兵三進一  象5進7(第2図)

(第2図)

蘇選手の持ち時間がみるみる少なくなり、この対局は勝てそうに感じました。

ただ蘇選手は持ち時間が少なくなっても正確です。

世界選手権で引き分けた対局もそんな流れでした。

第2図では象を乱し紅方好調ですが、次の一手は長考しました。

  15. 車六進四  象7退5    16. 馬七進六  馬6進7

  17. 車六平二  馬7退8    18. 馬四進六  炮2平1

上の第2図で車六進四は第一感で本筋ですが、なかなかはっきりしません。蘇選手はまさにノータイムで、象7退5から馬6進7と応じます。サーカスのようなギリギリのしのぎです。

わかっていましたが、また私は長考です。

これで持ち時間もそれほどの差はなくなってきました。

ここで車交換か車六進三かは難しいところですが、本譜が本筋の展開と思います。

まだまだ紅方有利ですが、第18回合の馬8進6を先受けした馬四進六では炮三平一が勝りました。

  19. 後馬退八  卒3進1    20. 兵七進一  象5進3

第19回合の後馬退八では紅方十分ながら差は縮まりました。

  21. 炮三平一  馬8退7    22. 仕四進五  象3退5(第3図)

(第3図)

第21回合の炮三平一に馬8退7の辛抱も渋いです。

士四進五に象3退5(第3図)とお互い地味な指し手で様子を見ます。

  23. 炮八進三  馬3進4    24. 炮八平一  馬7進9

  25. 炮一進四  卒1進1    26. 兵一進一  炮1平4

  27. 馬八進七  馬4進6    28. 相五進三  炮4進2

  29. 馬六進四  炮4平3    30. 相七進五  士6進5(第4図)

(第4図)

第3図から炮八進三と動いて、卒得を目指します。

卒得となり、第26回合の炮1平4に馬八進七も好調なさばきで、紅方の有利が拡大してきました。ここで炮4進3、馬七進六の交換はこちらが馬炮に対して、黒方が炮炮は種類の違う紅方が有利で、さらに1兵得です。

第28回合の炮4進2のブロックに馬七進六の交換は黒方も馬炮残るので、この1兵得だけでは引き分けの可能性は結構あります。

またこのままの馬馬炮対炮炮馬は若干馬馬炮の方が有利とされています。

それで交換は避けて戦いました。

第4図は手が広いところで持ち時間が少ない中、迷いました。

  31. 馬七進五  炮3平5    32. 馬五退七  象5進7

  33. 兵一進一  象3進5    34. 兵一平二  炮5平3

  35. 兵二進一  炮3退1    36. 馬四進六  士5進4

  37. 兵二進一  炮6退1    38. 馬七進八  炮6平4

第4図でとりあえず馬七進五としましたが、炮3平5でまた迷いました。

第4図では馬をブロックする兵五進一か馬四進六として、士5進4なら馬六進八という戦い方が勝ったでしょうか。

本譜も結局河を渡った兵の分で2ポイントと、馬馬炮の有利さで、大体2・5ポイントぐらい有利が続きます。

ただ蘇選手もミスはなく、このぐらいの形勢で戦いが続いていきます。

  39. 炮一退二  馬6退4    40. 兵五進一  炮4進2

  41. 馬八進六  士4進5    42. 炮一進一  馬4進3

  43. 炮一平九  馬3退2    44. 馬六退七  炮3平1(第5図)

(第5図)

炮一平九で2兵得となりました。

このままでいけば、紅方勝てる形ですが、結局炮3平1(第5図)で1兵取り返されてしまいます。

45. 兵五進一  馬2進1    46. 馬七退九  炮1進3

持ち時間が少ない中、第45回合(第5図から)の兵五進一はうまい手と思いましたが、帥五平四か馬七進八の方が引き分けの可能性が少なく勝負できたかもしれません。

ただ持ち時間が少ない中なので、負けのない形で相手がミスすれば勝てる順の方が安定している面はあります。

  47. 兵五進一  炮1進3    48. 相五退七  炮1退4

  49. 兵五平四  炮1平2    50. 炮九平五  将5平4

  51. 炮五退二  炮2退3    52. 炮五平六  将4平5

  53. 炮六平三  象5進3    54. 炮三進二  炮2平8(第6図)

(第6図)

馬交換で2兵得になりましたが、第46回合の馬七退九では馬七進八、卒5進1、帥五平四が面白かったようです。

本譜は結局象が取れたものの、兵を1つ取られて第6図では引き分け模様です。

55. 炮三平五  将5平4    56. 仕五進四  炮8進4

  57. 帥五進一  炮8平5    58. 相七進九  象3退5

  59. 炮五退一  象5退3    60. 帥五平六  象3進1

  61. 帥六進一  象1退3    62. 炮五平七  炮5平3

  63. 兵四平五  将4平5    64. 炮七平五  炮3平5

  65. 炮五平八  炮5平2    66. 炮八平七  炮2平3

  67. 帥六平五  将5平6    68. 炮七平四  炮3平6

  69. 相九進七  将6平5    70. 兵五平六  将5平6

  71. 炮四進二  炮6退2    72. 炮四平一  炮6平9

73. 炮一平二  炮9平8    74. 炮二進三 (第7図)和

(第7図)

残局での炮の使い方に「炮は家に帰れ」というのがあります。

自陣に炮を引いて使うと士や相や帥を足掛かりにして戦いやすいというわけです。途中で炮を自陣に引くチャンスはあったかもしれませんが、途中からは蘇選手が、常に炮を引かせないようにブロックして、第7図での引き分けの提案を受け入れました。

残局での蘇選手の負けない指し方はさすがです。

ただ強豪相手に有利な引き分けで終えたのは満足でした。

橘梅杯全体の結果は1勝2敗2和でした。

負け越しは残念だったですが強豪との対戦が多く、再来週の日本オープンに向けていい経験になりました。


〇おわりに

今回は所司先生に頂いた解説入り棋譜のご紹介でした!

多くの方にお楽しみ頂ければ嬉しいです^^

所司先生の解説入り棋譜は当サイトには沢山あるので是非そちらもご覧ください!(^^)!

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