このページではシャンチー(象棋・中国将棋)の棋譜のとり方・読み方の紹介をさせて頂きます。
シャンチーは棋譜を自分で読むことが出来るようになれば自主学習をしやすくなります。
おそらくルールを覚えたらまずは指してみる、そしてその次あたりに「棋譜並べ」をしてみることや「殺法」を解いてみる、と言ったことが来ると思います!このページでは「棋譜並べ」への第一歩である「棋譜の読み方・取り方」を紹介します!
シャンチーメイツのサイトでも多くの棋譜を紹介していますので、棋譜の読み方を覚えてサイトをより楽しんで頂ければいいな~と思います(*´▽`*)
はじめに
シャンチーの棋譜をとる際には「平・進・退」と言う表現を用います。
前に進める時は「進」、横線上を移動するときは「平」、後ろに下がる時は「退」を使います。
また棋譜を取る際には盤上についている縦線の番号を知っている必要があります。
下記の図を見て頂くと分かるように、盤には漢数字とアラビア数字が付けられています。
紅のコマは漢数字の「一~九」、黒のコマはアラビア数字の「1~9」を用いてコマの場所を表します。
実際に大会などで棋譜を付ける際はどちらもアラビア数字でとったりすることも大丈夫です!
ほとんどの方が早く棋譜をとることの出来るものを選んで棋譜を取ります。
コマを動かしてみよう
では上記の内容を参考に実際にコマを動かしながら棋譜の読み方を見て行きます。
下記の図から紅のコマを動かしてみます。
「馬三進一」と動かしてみます。
「馬三進一」とは「三路にある馬を一路に進める」と言う意味です。
はじめの「馬三」でどのコマをこれから動かして行くのかを表し、後ろの「進一」でどこに動かすのかを指示します。
この図では馬が2つありますが、まず「三路」にある馬を探し(上の図の場合右の馬)、それを一路に進めます。右の馬を赤丸に持って行けばOKと言うことです!
では次に「馬三退四」の動きを見て行きます。これは「三路にある馬を四路に下げる」と言う意味です。ですので右の馬を水色の丸に下げればOKです。(水色の丸がある縦線は紅の四路です)
同じように、右の馬をそれぞれの色へ移動させることを下記のように表現します。
青:馬三退二 紫:馬三退五
緑:馬三退一 黄色:馬三進二
黄緑:馬三進四 ピンク:馬三進五
また、左の馬がピンクの丸へ移動することは「馬七進五」と書きます。「七路にある馬を五路へ進める」と言う意味です。
次に下記の図を見てみましょう。
この図でははじめに黒のコマを見て行きます。
黒のコマはアラビア数字で位置を表しますので、黒の車のある場所は「2路」になります。
「車2退3」を動かしてみます。これは「2路にある車を3歩下げる」と言う意味になります。
すると車は黄色の丸の位置に移動します。紅のコマと黒のコマでは「進める」と「下げる」の感覚が逆になりますので、はじめのうちは間違えやすいかもしれません。
また、同じように車を黄緑の丸へ移動させることは「車2進5」と書きます。
○横の移動(平)
上の図で黒の車を紫へ移動させることは「車2平6」(「2路の車を6路へ横移動させる」と言う意味)と書きます。ここは気を付けて頂きたいのですが、「6」と言うのが六歩ではなく「6路へ」と言う意味と言うことです。縦線上をまたいで横に移動する場合(「平」を用いる)、棋譜では到着先の縦線の番号を記載し、同じ縦線上で「進・退」を用いてコマを移動させる場合は何歩進んだかで表します。(馬の場合は「進・退」を用いても必ず元あった縦線上とは別の縦線へ移動しましたね。)
最後の図です。
上の図の場合紅の炮が同じ縦線に2つあるため、「炮五平二」(五路の炮を二路に移動させる)と書いた時に、どちらの炮を移動させれば良いのか分かりません。そこで用いられるのが「前・後」と言う表現です。
このような場合は「前炮平二」(前にある炮がピンクの丸へ移動)や「後炮平二」(後ろにある炮が赤丸へ移動)と書きます。同じように縦線上での移動も「後炮進二」(後ろの炮を青へ移動)や「前炮進二」(前の炮を緑へ移動)と書きますが、例えばこの図では「炮五退三」と書かれている場合は三歩下がることの出来る炮は後ろの炮のみなので「前・後」で区別して書く必要はありません。(「炮五退三」では後ろの炮が黄色の丸へ移動します)
たまに兵が三枚同じ縦線上にあったりする場合は「前・中・後」と言ったように区別します。
ちなみに馬や士、相は横線上に移動することがないので「平」と言う表現を移動で使うことはありません。
ここまでで基本的な棋譜の読み方について説明してきました。
滅多に出ない棋譜
このような局面は滅多に出ないのですが棋譜のとり方を紹介しておきます。
左の図
三路(右)と四路(左)に兵があります。
こう言った場合の棋譜のとり方↓
右の前の兵が前に行く時 ⇒前三進一(三は三路の三です)
左の前の兵が前に行く時 ⇒前四進一(四は四路の四です)
右の図
この局面の場合 一番前の兵は前兵、一番後ろの兵は後兵、間は前から、中一、中二、中三です。
前から二個目が左に行くなら「中二平四」と書きます。
(ちなみに一番後ろが前に行くのは「後兵進一」です。)
実際に動かしてみよう
では実際に棋譜を動かしてみましょう!
初期位置から、下記に書かれた棋譜を動かしてみて下さい。
1. 炮二平五 炮8平5
2. 馬二進三 馬8進7
3. 車一平二 車9進1
初期位置から上記のように三回合進めるとこのような↓コマの配置になります。
更に三回合進めてみましょう。
4. 馬八進七 車9平4
5. 兵三進一 馬2進3
6. 兵七進一 車1進1
このように進めると下記↓のコマの位置になります。
皆さん、ここでは6回合まで棋譜を動かしてみたのですが、ここまで無事に動かすことが出来ましたか?
簡易棋譜
最後に簡易棋譜や国際大会などで認められている棋譜のとり方を説明します。
○簡易棋譜
簡易棋譜では、下記の図のように「退」は上に線を引く、「進」は下に線を引く、「平」は何も書かない、と言った棋譜のとり方をします。
また、「炮二平五(炮25)」、「炮二進三(炮2+3)」、「炮二退五(炮2-5)」と言ったような「+、-」を用いる記載方法も国際大会などでは許可されています。このように、出来るだけ早く棋譜を取ることの出来る方法を身に付け、慣れておくと棋譜を取る際に持ち時間を多く使わずに済みます!
○英語表記
シャンチーのコマを漢字ではなく英語で表記することも国際大会の棋譜記録では許可されています。
チェスなどを指される方にはなじみのある書き方かもしれません。
【それぞれのコマの英語表記】
炮⇒C(Cannon)
車⇒R(Chariot)
馬⇒H(Horse)
相・象⇒E(Elephant)
仕・士⇒A(Adviser)
兵・卒⇒P(Pawn)
帥・将⇒K(King)
これらを用いると「炮二平五」は「C25」などと書くことが出来ます!
漢字に慣れていないアメリカやヨーロッパなどの方もこれなら書きやすそうですね(*´▽`*)
○おわりに
このページでは棋譜のとり方の紹介をさせて頂きました。
皆さん、棋譜の読み方はばっちりでしょうか(*´ω`*)
シャンチーメイツのブログでは海外プロや国内トップ選手の多くの棋譜を紹介しています!
棋譜並べをお楽しみ頂ければ、嬉しく思います(*´▽`*)