シャンチー（象棋）アヤメ杯の名局譜に特級大師の鄭惟桐さんからコメントを頂きました(^○^)

今回はアヤメ杯の名局譜を特級大師の鄭惟桐さんのコメント入りで紹介させて頂きます(*´▽｀*)

〇アヤメ杯について

はじめに
棋譜紹介

はじめに

〇鄭さんに評注コメントを頂いた経緯

シャンチー（象棋）アヤメ杯の最終ラウンドの棋譜がとても良い内容でしたので、友人の鄭惟桐さん（特級大師）に「この前私が開催した試合で良い内容の対局があったのですが、紅、黒それぞれポイントの局面を一か所ずつ簡単にコメントを頂けませんか～？」とメールをてみました(*^^*)すると棋譜を送って5分ほどで鄭さんからボイスメッセージがポコポコ届き、とても丁寧に棋譜の説明をして下さいました！！

そのため、もともとは棋譜を紹介するだけの記事にする予定でしたが、棋譜の間に鄭さんから頂いたコメントを日本語訳して記載すると言う素晴らしい記事が完成しました！(*´▽｀*)ワーイ！

ちなみにこの連絡をしたのが夜の12時すぎ（向こうは11時すぎ）で遅い時間だったので、「遅くに呼び出しちゃってごめんなさい…！」とコメントを頂いた後にメールをしたのですが、「呼び出し大歓迎ですよ～」と優しいお返事を頂きました！（中国のプロの方は親切な方ばかりです(>_<)有難いです…！！）

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それではみなさまアヤメ杯の名局譜をお楽しみください！

棋譜紹介

2019年12月14日

結果：黒勝ち

（コメントは全て鄭さんからのメッセージの翻訳です）

この試合は確かに素晴らしい試合です。「2箇所ぐらい簡単にポイントの局面へのコメントをお願いします」とリクエストされましたが、試合の中でポイントになる局面が多くあります。そのため、少し多めにコメントさせて頂きます。

1. 炮二平五馬８進７ 2. 馬二進三車９平８

3. 車一平二馬２進３ 4. 兵三進一卒３進１

5. 馬八進九卒１進１ 6. 炮八平七士４進５

5回合までは中国国内大会でも一番流行している定跡です。第6回合で黒は大きな間違いを指しました。第6回合で黒は必ず「馬３進２」と指さなければなりません。なぜならば、この局面では、紅の二路の車はすでに黒の8路の車と炮を牽制しています。もし八路の車も2路の車と炮を牽制し、さらに七路の炮が3路の馬を狙ったら、この開局はこの時点で黒にとってとても大きな損になります。

7. 車九平八車１平２ 8. 車八進六炮２平１

9. 車八平七車２進２ 10. 車二進六象７進５

11. 馬三進四炮８平９ 12. 車二平三炮９進４

13. 車三進一炮９進３ 14. 馬四退三車８進８

15. 車三退一卒９進１（図1） 16. 炮五平六車２進６

ここまでの数回合は両選手とも、とても高いレベルを示しました。着法に無駄がなく、また黒が不利の状況で、棄子（コマを捨てる）戦術を採用し、局面を複雑化させました。不利の局面の中でも、最大の努力をしました。

第16回合で紅は大きなミスをしました。この時「炮五平六」と指しても、自分側の問題を完璧に解決することは出来ず、黒に対しての脅威も無くなります。この時は「兵七進一」と指すべきでした。次に黒が「車８平７」と指すのであれば、兵七進一車７進１車三平二と進み、後で紅には「車二退六」と守る方法があるので、紅主動な局面です。

17. 炮七退一車８平４ 18. 仕六進五車２退１

19. 炮六平四炮１進４ 20. 兵五進一（図2）車４退２