シャンチー(象棋)世界選手権の感想を一言頂きました!

インタビュー・対談

世界選手権の感想をみなさんに伺いました。

NC/NV部門優勝の所司選手の感想

NC/NV部門優勝の所司選手からはびっしりと感想を頂きました。

(ありがとうございます!)

○所司選手の感想

第16回世界選手権に参加して   世界選手権は93年から出場し、今回で13回目と多く出場しています。 ノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ部門では今回で5回目の優勝をすることが出来ました。 また全体でも34人中15位で、順位としては過去最高です。 ただ参加人数が少なかったからであり、4年前の方が54人中19位で率は上でした。 団体としては12カ国中10位で、順位は下ながら強豪国のドイツやオランダより上なのは良かったです。

チームメイトの酒井さんもノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ部門2位で日本の順位に貢献し、ワンツーフィニッシュを決めました。 また男子の日本メンバー全員入賞できたのも良かったです。

女子の中村さんも素晴らしい内容の名局をたくさん作りました。

私の成績は4勝3敗2引き分けでした。 これは優勝や上位入賞のときよく取っている勝率ですが、今回少数精鋭でしたので勝ち越しは厳しいと思っていたのでうれしいです。 ただ対手分としては勝ち越しメンバーの中で一番下でした。

作戦としては、紅方は3局仙人指路、1局飛相局を採用しました。 黒方では中炮には屏風馬で戦いました。 仙人指路はグローバルペアマッチの途中からアジア個人戦と連載しましたが、にわか仕込みであったため今一つの結果でした。 それで最後の紅番となる8回戦では、普段採用している飛相局に戻して良い内容が指せました。

9回戦(最終局)は勝ったほうが優勝の大一番でしたが、落ち着いてうまく指すことができました。 引き分けでも優勝でしたが、勝つ気持ちで戦いました。 少し前に行われたアジア個人戦も26人中12位と良かったので、来年のアジア団体戦では国際大師を目指す気持ちでがんばります。


(所司選手と田中選手)

この写真はとても良く撮れているな~と思い、お気に入りです!

チームメンバーの感想

○酒井選手

「本大会は勝ち越しを目標に臨みましたが、残念ながら届きませんでした。 対局してみて分かったのは、中国系の上位陣とは布局、中局、残局のすべてで大きな差があるということです。 しかし、どの程度の差であるか実感できたのは、大きな収穫だった思います。 」

入賞とは別に勝率の目標もあったのですね(それはそうですね…)。今回の試合では酒井さんと対戦した多くの相手選手が酒井さんの中局のレベルがとても高い!と驚いていたようです。酒井さんの今後のご活躍にもとても期待しています(←私の中で勝手に期待値が高まっています!!)また、フィンランド選手は「日本人そんなに大きいの」と酒井さんの身長にもみんな驚いていました!(笑)…遠くにいても目立つのでとても安心な存在感でした!(とりあえず集合は酒井さんで!と言った感じで(^▽^))

(左:高橋選手、右:酒井選手)

○田中選手

「以前、合宿の記事で「酒井選手がどれだけやるのか楽しみです」と書きましたが、日本代表そのものが一気に史上最強チームになってしまいましたね(笑)。不肖この私もその末席に名を連ねることができ、それはそれで光栄に思います。個人的には最後の2局のうちどちらか1勝で勝ち点8、3位になれてめでたく棋聯大師だったのですが、あと1勝届かなかったのが実に残念です。どんな相手でも勝ち切る力が必要で、そこまでの力がなかったということでしょう。」

日本チームのメンバーがNC/NV部門の表彰台にみんないたことはとても嬉しかったです(*´▽`*)今後の大会でも是非表彰台を埋め尽くして頂ければ嬉しく思います。田中選手の目標である棋聯大師は次回の大会まで持ち越しと言うことで、次の世界選手権を応援しています!

○高橋選手

「最終局に勝てば、日本勢でメダルを独占できたのに、勝てなかったのは、とても残念でした。格下のドイツに和、フィンランドに負けたのは、あまりにも、不甲斐ない。チャイニーズ相手にも、ひとつは勝ちたかった。 参加人数の少なさから、6位入賞程度では、満足できない。次回は、もっと上を目指して、頑張ります。」

試合の途中あたりで高橋さん何だかちょっと元気がないかな…?と心配していたのですが、無事に入賞されて良かったです!また、高橋さんには試合後に体調があまり良くなかった私のフォローをして頂き、とても感謝しています!チームメンバーの暖かさを感じました(*´ω`*)本当にありがとうございます!今後も試合でのご活躍を応援しています!


(閉会式でとった集合写真)

私の長い感想

○試合の感想やら色々思うことを書いてみました。

正直な感想を言うと、思った以上に大変な結果でした(だいぶ悲惨)。

しかし、内容もまた思った以上に大変なものでした(自分すごい!)。

本当のところ、今年で選手を引退する予定でいました。そのため、開催地がどこであっても、無理をしてでも世界選手権に参加しようと思い、試合にエントリーしました。本来の私の体力では開催地などでエントリーを見送る国が多くあります。もちろんカナダも本来であれば費用的にも体力的にも負担が大きくかかる場所であり、エントリーを見送る国です。しかし、もう来年以降試合に参加をしないのであれば、一度は世界選手権と言う大きな舞台でシャンチーを指してみたいなと言う思いが強くあり、エントリーしました。

試合1日目、2日目と時差の調整などが出来ずに疲れはたまっているものの、内容の良い試合を指すことが出来ました。しかし、やはり3日目あたりから体調が試合に影響を与えるようになりました。5R目の台湾戦では途中で気分が悪くなり試合中にトイレに立って以降大変ボロボロな試合になってしまいました(炮をタダであげた上に最終的に自殺すると言う考えられない試合をしました。←こんなことは今後二度と起こらないで欲しいです…)。

ただこの日は運が良く、午後の試合は空き番になり休むことが出来、また少し体力を回復することが出来ました。しかし基本的に身体が強くないので結局胃薬と仲良くし帰国日まで乗り切る日々でした。 (やっぱり元気であることが重要ですね!(+o+))

今回の大会中、基本的にずっと体調が悪かったのですが、出来る限りニコニコしていたので、わりとまわりのみんなに気をつかっていただかなくても良いように過ごせたかなと思います!(多分みんなそんなに私の体調が悪いとは思っていなかったはず!)そこだけは自分を褒めてみたりしています(笑)。

(おそらくここ数年で日本の中国語を話す人=私=いつも笑っていて元気、と言うキャラクターが出来上がっているので、このイメージを守ることは重要だなと思って頑張って来ました←これも大切なことだろうな…と)

また、チームメンバーにも明るく元気をわけられるように頑張りました!(←なんだそれ!と言う感じですが…笑、みなさんがどう思っていたかは分かりませんが、雰囲気が明るくなるように自分なりに頑張りました!私的には全体的にチームの雰囲気が良い大会だったかなと思います。)

試合全体の内容を通して見ると、5Rの台湾戦で本当に崩れてしまった以外は、内容はとても満足しています(台湾戦も途中までは良く頑張ったと思います、が途中からおかしい…|д゚))。

とくに2日目のベトナム戦とアメリカ戦は私の今まで指したどの対局よりも充実した内容を指せたと思います。残念ながらこの2局は負けてしまいましたが、この日の試合の2局を終えた時、はじめて試合に出てシャンチーを指していることを楽しいと感じました。自分もこんな試合が指せるのだなと思い、シャンチーの勉強をしてきて良かったなと思いました。 (勉強をしなくては指せない内容の棋譜だったと思います。)

そしてベトナムやアメリカの選手と自分のレベルの間にある、あと少し足りないものが何であるのかを考えました。

それは多分勉強や試合の経験の不足と、「機会」を上手くつかめていないことだなと感じました。これらの不足要素は「才能」などと言った要素とは関係なく、ただ努力すれば概ね埋めることの出来るものです。

おそらく今後私に良い成績が出る大会があるのであれば、それは実力だけではなく運の要素が大きく関係するものだと思います。(今の世界の女子のレベルはそれぐらいみんな近い線上にいます。大会では体調面のコンディションと精神面の安定感、そして組み合わせの運があり、それを上手くつかむ「機会」を得ることが試合で成績を残す鍵です。)そう言う意味で「機会」を得ることは本当に大切なことです。今までは、試合の結果から、自分には才能がないのだろうといつも感じていました。しかし今回そうではないことに気が付きました。

まわりよりも努力し、誠実にシャンチーと向き合うことで、これから得る「機会」をどれだけものにすることが出来るかが重要なのだろうなと感じました。このようなことに気付くことが出来ただけでもとても大きな収穫のある大会だったなと思います。

この大会を最後にしようと思ってエントリーしましたが、エントリーしてから大会に参加するまでの期間、また大会参加中に多くのことを考えました。そして多分今はまだシャンチーをやめる選択をしてはいけないのだろうなと感じました。

今後もゆっくり自分の体力と相談しながら出ることの出来そうな試合には積極的に参加して行ければいいなと思います。

結果はまた次に頑張ります!(やめなければ次があるのですね!)


(左:1R目の試合の様子、右:田中選手)

この写真を見ると…試合中ダウンって…

どんな寒い会場なの…と言う感じですが…

(寒がりな私には辛い会場でした…)

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