シャンチー(象棋)のインターネット対局会の反省から大会運営にあたってのチェックリストを考えてみました!

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昨日海外の方とシャンチー(象棋)のインターネット対局会をしました!

結果は惜しくも負けてしまいましたが、残念と言う気力もないぐらい、大会の運営に問題が多くあり、ぐったりです…笑。

そしておそらく選手の能力の発揮具合を見てもみんな出し切った感がなかったように思います!と言うことでもう一度やればきっともっといい成績です←ポジティブ


これまでにネット大会は何度も行っていますが、ここまでボロボロな運営の開催になってしまったのははじめてです…。ちょっと衝撃的と言いますか…、今後のインターネット対局はもう少し運営も丁寧に行いたいなと思いました…。 また、ちょっとだけルールの問題もありましたので、簡単にそこにも触れておきます!


ルールについて

問題になった局面です。

この局面は紅先です。

実戦では・・・

紅は帥五平六車3平4帥六平五車4平3と指し続き、黒がそれ以上連続で指すことがテーブル内で許可されず、手をかえなければいけなくなりました。この局面で負け判定が出たことと同じです。

この手は世界ルールだと、引き分けになります。 私たち日本選手が出場する大会では世界ルールが採用されているので、基本的にはこれは引き分けだと言う認識で問題ありません。

しかし、今回の対局は天天象棋と言う中国のアプリで行われたため、中国ルールが採用されていました。中国ルールではこの局面は黒が手をかえなければなりません。

相手も国際交流として対局を申し込んでおり、世界ルールを採用しているはずなので、本来は相手選手もこの局面は引き分けと言う認識があるべきです。とは言え、私も天天シャンチーが中国国内ルールを採用していることをこの対局まで全然考えていませんでした。 そもそも私が中国ルールで対局することは基本的にありませんので中国ルールを知りません。そのため、あ、ここもルールが違うのか!と言う感じでした…(ヽ´ω`)

(そもそもこのような着法は世界ルールでOKとされているので、例えば局面が不利な時などに引き分けを目標に指していれば、大駒をすててでもこのような着法に出来る局面に持って行くことがあります。対局者がそのようなつもりで指しているのにシステム上それが許可されなかった…となるとそれはとても大きなことです…;)

ちなみにこの局面は「一将一殺」と呼ばれます。

相手は将の手にも殺の手にも対応をしなければいけないのですが、この攻撃性の手が循環することは中国ルールでは禁止されています 。ちなみに「一将一殺」の他にも「一将一捉」や「一殺一捉」も中国ルールでは禁止着法の項目に入っています。


どうも天天象棋のルールをちゃんと確認することが出来るページが見当たらないのですが、ここは諦めずにもう少し探してみようと思います。自動限着等…一体何歩なのでしょう。大体60回合ぐらいな気はするのですが…(←指してみた体感…笑)


運営にあたっての問題点

【今回の大会の運営にあたっての問題点】

・時間設定がちゃんとされていない

・先手後手が正しくない

・なかなか相手と連絡がつながらない 等等


○時間設定

時間設定は20分+10秒(1手3分以内に指す)と言う大会規程でした。今回の大会ではテーブルによって加算の10秒が正しくセットされておらず、加算がなしになっている台がありました。(各台設定がバラバラだったのが…謎)また、テーブルによっては1手3分以内に指す設定が20秒になっていました。

加算なしで切れ負けの対局は中国語では「包干」と言われます。上海で一度その対局もしたことがありますが、加算がある対局とは全く別物です。そして1手20秒以内に指す設定になっていると言う点…、これもとても大きな設定ミスです。重要な局面ではそれなりの時間を使って考える必要があります。国際大会などでは1手で20分以上考えることもあるぐらいです。それを考えると20秒になっていると言うのはちょっと……(ムリー( ;∀;))と言う感じです。

これらはつまり普通の大会で言うところのチェスクロックの設定ミスです。大会前に審判員は必ず持ち時間の設定を確認しながら全ての台をまわります。やはりこれはインターネット対局でも同じように気をつかうべきところです。むしろその場ですぐに審判員を呼ぶことが出来ないので普段よりも気をつかわなくてはいけません。


(裏話その1:相手に持ち時間の設定が規程と違う台があると抗議したところ、「なんでこうなるの、さっきはちゃんとなっていたのに」と…、なんでとは…私が聞きたい。さっきとはいつだ、という心の声…。「加算がない包干は全く別物なので、この持ち時間の対局は絶対に認められない」と抗議したところ「なんでもいいよ!そちらの納得いくように指しなおそう」とそこは広い心で安心しました。とは言えここまでのやりとりがものすごく長かった…。まあつまりなんでもいいのですね…開始10分でよるごはんの栄養を使い切った気がする…笑;;)


○先手後手の設定

これは参加者のIDと結びつけているのであれば本来主催者側が設定をしっかり行わなくてはいけません。それを試合が行われるテーブルの初期設定として行わない場合、せめて対局開始前に「先手の人が責任をもってテーブルの設定を行うこと」等の決まりがなくてはいけません。

今回はテーブルとそこに入ることの出来る大会参加者のIDが各台に結びついており、さらにテーブルに参加者が座るためにはあらかじめ設定されたパスワードを入力しなければ入ることが出来ない設定でした。(つまり参加選手以外はテーブルに入ることが出来ず設定を変えられない)しかし、いくつかのテーブルで初期設定の先手後手が間違っており、その設定を直したくても、どちらの選手もその方法が分からずに対局が始められずにいました。結局そのまま先手後手が違ったまま試合が始まったテーブルもあります。

これに関しては主催者側が責任をもって設定を確認する必要があるなと思います。また選手個人に設定を頼むのであれば設定方法のマニュアルなどの作成が必要だと思います。


(裏話その2:「○台の先手後手が間違っているので直してください」と依頼したところ、「うちの選手は出来ないみたいだからそっちでやって」と投げられました~…。分かったよ~オッケーオッケー…~とあきらめの声…これはあれです!テーブルにIDを結び付けなければ良いわけです!そうすれば私が行ってテーブルの設定を変えられます!←次回以降はこれで解決!パチパチ)


○主催者の責任者同士の連絡

日本は専従で常に大会中は運営のために待機しているスタッフがいました。これまでにインターネット対局会を何度か行ってきて、それは普通なことだと思っていました。しかしそれが普通でないこともあると言うことを今回理解しました。交流大会などで、友好試合を行うと言うのはそれなりに相手を思いやり、運営者も真剣に取り組むべきものだと思っていましたが、残念ながらそうでないこともあるのだなと思いました。 今回の場合真剣と言う姿勢に求めるものがお互いに違い過ぎたのかなと思います…。多分これは個人の性格や考え方などもあると思うのですが、真面目の基準も曖昧なものなのですね…。(残念…)


(裏話その3:すごく大変な状況のため運営者に連絡をしても10分ぐらい返事が来ませんでした…、10分は実はとても長いです!10分間ずっと「ねぇ」「対応してください」「あの~?」「こんにちは?」と呼びかけ続ける私…自分が変態なような気すらしてきました。そしてふと絶対どこかで観戦している!と思いテーブルを探しに行ったところ発見!(やっぱりね!)そこから相手に話しかけて「ねぇチャットみて!」みたいな…。間違いなくストーカーですよ、私。不本意にも相手を探し求めている自分にゲンナリしつつも頑張りました←でも何かを失った気がする←え|д゚))


(裏話その4:「成績まとめた?結果送ってくれる~?」と連絡が来る…。主催者は君たちだ!と言うこころの声をどうやら相方は聞いていたらしい(←口に出てる…笑)、2局目も終わった後成績を再度聞かれる…そして送る→向こうからの返信「僕らの勝ち」…うん知ってる、私が送った( ;∀;)←何だろうか…とても気分がよくなってきました←そろそろやばい疑惑!笑)


チェックリスト

当たり前なことばかりですが、まとめました。

(保存版)

今後インターネット大会を開催するときのために、プレチェックリストを作成してみました。試合前にこれらをしっかりチェックすることで大会中に起こるトラブルのリスクを下げて行こうと思います。


○選手個人が行うもの

・対局相手の確認

・先手後手の確認

・台の確認

・設定された持ち時間の確認

・設定された先手後手の確認

・監督(自分側の責任者)との連絡手段の確保

・やる気をもつ(←あたりまえでもかあえて書く!笑)

・出来れば対局前にネットにも慣れておくと良いかなと…

○主催者側が行うこと

・採用するルールの反映方法の決定

今後天天シャンチーを利用して、このように対局を行う場合、 アジア連合のルールで引き分けの局面であるのに負け判定が出た場合、その局面を再現し、相手に申請することで結果をあとで引き分けに出来ると言うように、出来る限り、ちゃんとルールを反映できるように相手と決まりをつくりたいなと思います(とは言え中国ルールを理解していないので、どこまでちゃんと出来るかは…未知の世界です)。

・対局選手のリスト化

・組み合わせ作成、発表

・成績管理(選手に結果報告を促す等、相手に結果を聞かずに済むようにする)

・対局テーブルの数の確認  

・時間設定の確認(1)初期設定

・時間設定の確認(2)対局前に全台確認

・先手後手の確認(1)初期設定

・先手後手の確認(2)対局前に全台確認

・参加選手に対して時間や先手後手の設定に間違いがないか対局前に確認してもらうよう依頼

※主催者側に上記の能力がないと考えられる場合は、大会開催を再考する、

もしくは自分が主催者側になると良いかなと思います

○国内側運営者が行うこと

・参加選手の電話番号を知る(対局中にラインやメールは取れないので本当に急遽困ったときの連絡手段として電話番号を知っておくと良い)→今回本当に電話番号!!!と思いました(←え)

・主催者側の専従スタッフがいることを事前に確認(いない場合は試合を行わない)

・自分の選手が少しでも有利になるような持ち時間で試合が出来るように交渉する

・試合要項を出来るだけ詳しく選手に伝える

・出来る限り試合テーブルに問題がないか選手とともに確認する

おわりに

○今後に向けて

自分が大会の主催者になる場合、どんな大会だったら参加者は安心して参加することが出来るだろう…と考えて運営にあたりたいなと思います。インターネット上の大会だけでなく、普通の大会でも同じです。これは自分が今までに大会に参加して来たことの経験の中に多くのヒントがあると思います。実際の大会では静かで落ち着いた試合環境、部屋の温度、盤コマの大きさ、テーブルの広さ、椅子の座りやすさ等考えなければいけないことは沢山あります。

その点、インターネットでは最低限の運営だけで良いのですが、そここそが根幹です。また運営者がしっかりとしていないと運営がグダグダになります。団体戦であればAチームとBチームと言った感じで2つ以上のチームがあります。少なくとも各チームで選手以外に対局中に連絡が取れる人がいないといけないなと感じました。

今回の大会では運営の基礎がしっかりとされていないと言う印象を受けました。お互いにインターネット大会の運営に不慣れだったからと言えばそれで済むこともあるのかもしれません。しかし、私は今回の大会について「結果オーライです」と言えるほど、明るい終わり方をした大会だったとは思えません。(失敗だな~と思った点は次回改善できるように頑張ります!)

参加して頂いた選手の方にとても多くの迷惑をかけてしまったなと思うためです。参加して下さったシャンチー仲間のみなさん、本当にありがとうございました!そして本当に申し訳ありませんでした!今後は運営がもう少しちゃんと行えるようにしたいなと思います…。

○おわりに

もしも今後、どこかの団体チームなどと大会を行う場合、それはきっと友好大会のようなものになると思います。友好大会であるからこそ、相手に敬意をこめて、最低限の環境は用意すべきだと思います。もしも自分たち主催で大会を行うことがあれば出来る限り参加される方が困らないように大会環境を整えたいなと思います。今回の大会の反省から、次につなげて行きたいなと思います。

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