第8回「財神杯」シャンチー(象棋)快速賽で汪洋選手が優勝されました!

ニュース

第8回「財神杯」シャンチー(象棋)快速賽が広東省佛山市で開催されました!

優勝は汪洋選手でした!

優勝賞金は10万元です!!

汪洋選手!優勝おめでとうございます!(*´▽`*)

○財神杯の記事

試合について

〇試合方法

“火族騎士”と“冰族法師”の2組に分かれてトーナメント形式で試合を行う

紅黒入れ替えて2局指し、ポイントが引き分けだった場合快速戦をもう1局指す

〇持ち時間

基本対局(最初の2局):6分+3秒

プラス試合:紅方6分+3秒、黒方4分+3秒(引き分けの場合黒の勝ち)

〇賞金

優勝10万元、準優勝5万元、第3位各(4位はなしで3位が2人)3万元

〇上位入賞者

優勝   汪洋選手

準優勝  呂欽選手

3位   鄭惟桐選手 趙国栄選手

〇優勝された汪洋選手

(写真は知り合いの記者の方に提供して頂きました!いつもありがとうございます!)

棋譜紹介

今回紹介する棋譜は財神杯の1/8戦の試合です!

今回紹介する棋譜の紅の選手は日本のシャンチーファンにとってはとくに有名な4回全国チャンピオンである趙国栄先生、黒は2回全国チャンピオンであり、全国チャンピオンの汪洋さんと洪智さんの先生でもある柳大華先生です。両選手とも中国で長く活躍されている有名な特級大師です。

 年齢が高くなっても、まだまだシャンチー界から離れずに前線で活躍されている両選手は、今回の大会でどのような戦いをされたのでしょう。

紅方:趙国栄

黒方:柳大華

結果:紅勝ち

1. 相三進五 炮8平4 2. 兵三進一 馬8進7

飛相対左過宮炮の開局です。この開局は飛相局の中で最も流行している開局で、変化も多くあります。

2. 馬二進三 車9平8 4. 馬三進四 車8進4

第4回合で紅は先鋒馬の変化を使いました。この陣形はほかのプロ選手に使われることはあまり多くありません。趙国栄選手はこの陣形を研究しているようで、趙選手にとっては深い理解のある戦法です。(開局でこの陣形を使ったのは、おそらく事前の準備の上です)

5. 兵七進一 卒3進1 6. 兵七進一 車8平3

7. 馬八進七 馬2進3 8. 仕四進五 象3進5

第7回合で紅には炮二平四と指し、黒の車3平6を防ぐ変化もあります。

また、馬八進七、仕四進五と指した手には罠が仕掛けられています。第8回合で黒がもし車3平6と指すと、紅は車一平四炮4平6馬七進六車6退1炮八進四卒5進1馬六進五と進めることが出来ます。これは先鋒馬の変化の1つの罠です。

9. 馬七進六 馬3進4 10. 馬六退八 車3進2

第9回合の紅の馬七進六により、紅は2つの馬で河口をコントロールしています。黒はそれを打破するため馬3進4と指しました。これによりコマの大交換になりました。コマ大交換を避けて、複雑さを維持したい場合、第9回合では車1進1と指しても大丈夫です。

11. 馬四進六 車3平2 12. 炮八進五 車2退4

13. 炮二平三 車2進2 14. 馬六退七 車2平8

第13回合では復盤の時、趙国栄選手は「車九進二も考えた」とお話しされていました。次に車2進2馬六進四車2平6車一平四と進むと、こちらの方がいいかな?と検討されていました。

15. 車九進二 車1平3 16. 車九平六 士6進5

17. 車六進三 車8進3(図1) 18. 炮三進一 車3進4

(図1)

第17回合の黒の車8進3は随手(深い計算がなく指した手)です。これにより紅はちょうど炮三進一と指し、良い形になりました。この時は車8進2と指す手も良いかもしれません。後で必ず中兵を取ることが出来ます。

第18回合での車3進4は少し損なようです。後で紅の三兵が河を渡ることが出来ました。ここでは卒5進1車六平五炮4進4と進める展開もありそうです。

19. 車六平七 象5進3 20. 兵三進一 車8退1

21. 車一平三 馬7退8 22. 炮三進三 卒1進1

23. 馬七進六 象7進5 24. 炮三平四 馬8進6

ここまでで紅は兵が1つ河を渡ることが出来ました。若干有利ですが勝つまではまだ遠い局面です。そして、このあたりで両選手とも持ち時間が1分を切りました。そんな短い持ち時間の中でも趙国栄選手の残局の力が発揮されました。

25. 兵三進一 車8退2 26. 馬六進七 卒9進1

27. 兵三進一 馬6退8 28. 兵三進一 馬8進7

29. 炮四退二 車8平7 30. 車三進五 象5進7

31. 炮四平八 象7退5 32. 兵五進一 象5退3

33. 炮八進一 炮4退1 34. 炮八平一 炮4平7

35. 炮一平九 士5進4 36. 兵五進一 卒5進1

37. 炮九平五 将5平6 38. 馬七退六 馬7進6

39. 炮五平七 馬6進4 40. 馬六進四 炮7平4

黒は第38回合でただで象を損しました。これで守ることの難しい残局のかたちになりました。

第39回合では炮7進3と指し馬を交換すれば、もう少し引き分けの確率をあげることが出来たかもしれません。

ここまでで紅はほぼ必勝の形ですが、是非紅の残局を観賞してみて下さい。

(素晴らしいです)

41. 馬四進六 馬4進2 42. 炮七平四 士4進5

43. 馬六退四 将6平5 44. 炮四退四 馬2退3

45. 馬四退六 象3進1 46. 馬六進七 士5進4

47. 兵一進一 炮4平3 48. 兵一進一 炮3退1

49. 馬七退八 炮3平1 50. 馬八進九 炮1進6

51. 馬九進七 将5平4 52. 兵一進一 炮1平5

53. 兵一平二 馬3進5 54. 炮四進三 士4退5

55. 兵二平三 炮5平9 56. 馬七退五 炮9退2

57. 馬五退四 炮9平8 58. 兵三平四 炮8進2

59. 兵四平五 炮8平5 60. 馬四退六 将4平5

61. 炮四進一 将5平6 62. 兵五平四 将6平5

63. 兵四平三 将5平4 64. 炮四平九 将4平5

65. 炮九退一 馬5退7 66. 馬六進四 炮5退1

67. 炮九退一 炮5平9 68. 炮九平五 将5平4

69. 相五進三 炮9退1 70. 馬四進六 士5進4

71. 炮五平六 馬7退5 72. 炮六進四 馬5進6

73. 馬六退四


この試合は6分3秒の快速試合です。

中局で紅は優勢になりましたが、優勢の局面から短い時間の中でしっかりと勝利の道を探し出すことにも高いレベルの基礎能力が求められます。そして、この対局では黒の選手も不利の状況の中から73回合まで粘り強く指し続けました。

対局の中継を見ていて、両選手の残局の棋力の高さを再認識させられた一局でした。

自分ももっと勉強しょう!という気持ちになりました。

おわり

(写真:柳大華先生(左)と趙国栄先生)

コメント

タイトルとURLをコピーしました