(*’▽’)王斌特級大師との交流会【可児宏暉選手に頂いた棋譜紹介】

実戦譜を見る

可児宏暉選手に頂いた棋譜紹介です(*´▽`*)

はじめに

少し前に王斌特級大師の地元選手や学生さんと日本選手との交流会が行われました!

王さんは試合をライブ中継で解説し、多くのシャンチーファンの方が中継を見ていました!

私は王さんの中継を見つつ中継を見ていたのですが、やはり中継があると一局の観戦の理解度が上がるので、勉強になるな~と思いました!

今回は可児さんに頂いた李長治選手との対局棋譜を紹介します!

李長治選手は王さんのところの地元選手で、地元の大会によく出られている選手です。李選手はネットよりも実際に指す大会の方がメインなようなので、中国国内大会に遊びに行けば会えるかもしれません(*´ω`)←本当に行きそうな人^^

棋譜紹介

今回紹介するのは、中国の李長治選手との対局です。李選手は特級大師の王斌さんのもとでシャンチーを勉強している学生だそうで、この対局は王斌さんがライブ中継で解説してくださいました。特級大師に棋譜を観てもらえるのは貴重な機会なので、初歩的なミスをしないよう丁寧に指すことを心がけました。

紅方:李長治

黒方:可児宏暉

結果:和

(持ち時間:30分+1手10秒加算)

1. 炮二平五 馬8進7  2. 馬二進三 卒7進1

3. 馬八進七 車9平8  4. 車一進一 馬2進3

5. 兵五進一 士4進5  6. 車一平六 象3進5

中炮横車対屏風馬の開局になりました。ただ中炮横車の時に一般的に多いのは兵七進一と突いている形であり、本譜のように七兵を突かずに中兵を突く形はあまり多くありません。王斌さんが言うには「アマチュアが好む開局」とのことでした。ただ速攻で一目散に中央を狙ってくる以上、黒としても的確に対処しなければすぐに潰れてしまう危険性があるため、緊張感のある展開になりました。

7. 馬七進五 馬7進8(図1)  

(図6)

7回合紅は馬七進五と積極的な展開を見せてきましたが、これに対する黒の応手は色々と考えられます。ソフトの分析によると炮2進4が最善とのことで、実戦でもこの手を考えましたが、その後の変化が複雑すぎてよく分かりませんでした。そこで今回は少しひねって馬7進8と指し、相手の出方をうかがうことにしました。この手の意味は、馬8進7から場合によっては馬7進5と炮を取り相手の攻撃の要である炮を除去することや、兵三進一、卒7進1、馬五進三と進んだ時に、紅の馬が前馬進四と好位置に跳ねる余地を消していることなどがあります。

8. 兵五進一 馬8進7   9. 兵五平六 炮8平7  

10. 兵七進一 車8進3

10回合紅の兵七進一は自陣にとって確実にプラスになりながらも相手に手を渡す好手で、黒はどう指せば良いか非常に悩みました。本譜の車8進3は、兵六進一の進出の時に馬7進5、相三進五、卒5進1と突いて兵六平七を防ぎつつ逆に反撃しようという狙いがあり、まずまずの一手だったと思います。また王斌さんの解説では馬7進5~炮7進5と2枚交換して車8進6と好位置に車を移動させるのも有力とのことでした。対局中は単調かなと思って全く考えませんでしたが、確かにこれも言われてみればなるほどという手順でした。

11. 炮八平七 車1平2  12. 車九平八 炮2進4

13. 炮五退一 車8平6  14. 車六進三 炮2進1

このあたり難しい中局戦でしたが、お互いがっぷり四つの良い攻防だったと思います。ただ私の方は対局中どう指せば良いか分からず困っている時間が長く、持ち時間を相手の倍ほど消費してしまいました。普段から遅見え遅指しで時間で不利になっていることが多いので、この点は今後の大きな課題です。

15. 兵六進一 炮2平7  16. 車八進九 馬3退2

17. 馬五退三(図2) 車6進4  18. 炮五進一 車6退1

(図2)

17回合黒の車6進4は紅が相をあがれば馬7進5から勝負しようという指し方でしたが、冷静に炮五進一と上がる手を軽視しており、やや空振った形になってしまいました。ここでは馬7退6と引くのが王斌さんが解説していた好手です。以下車六平四なら炮7進5、兵六平五、車6平5、車四進一と進み、黒は現状炮と馬の位置が良くないものの卒が1枚多く、また紅の炮炮と違い馬炮と駒の種類が分かれていることもあってやや黒ペースです。他には車六退二だと、卒7進1と突いておきこちらも簡単ではないですが黒ペースとなります。一局を通してみても、この局面が黒にとっては一番のチャンスでした。

19. 兵六平五 車6平3  20. 炮七平六 車3平1

21. 仕四進五 馬7進5  22. 相三進五 炮7進5

23. 炮六平三 車1平7  24. 炮三退二 車7平9

25. 車六進二 車9平5  26. 兵五平四 馬2進1

19回合紅の兵六平五を見て、時間的にも不利だったことから引き分けを目指す方針に切りかえました。25回合の時点で形勢は若干紅が良いですが、盤上の駒を減らすことで勝つには難易度の高い残局戦に持ち込むことができました。26回合紅の兵五平四は王斌さんの指摘によると良くないそうで、車六平七、馬2進4、兵五進一、象7進5、車七平九のような進行だと黒は象が削れているので、実戦的に勝つチャンスが多かったようです。

27. 車六進二 卒1進1  28. 車六退三 車5平2

29. 車六平九 馬1進2  30. 車九進四 士5退4

31. 車九平八 士6進5  32. 車八退三 卒9進1

33. 兵四平五 卒9進1  34. 兵五平六 車2進2

35. 兵六平七 馬2進3  36. 車八平九 車2退2

34回合黒は車2進2~馬2進3と紅の車による牽制の解除に動きました。車交換になれば分かりやすく和でしたが、紅はノータイムで車八平九と交換を避けて勝ちを目指しました。その後黒は手順に車2退2と引きましたが、ここでは車2平4のから馬3進5を見せる方が優るというのが王斌さんの指摘で、確かにその通りです。ただこのあたりから残り時間が1分を切り、あまり深く考えることが出来ませんでした。

37. 前兵進一 馬3退5  38. 車九平五 馬5進7

39. 車五平二 馬7進9  40. 車二退四 馬9退8

41. 炮三平四 車2平6  42. 相五退三 卒7進1(図3)

(図3)

黒は馬が勢いよく跳ね回り相手にプレッシャーをかけ、攻守が入れ替わりました。42回合で卒7進1と渡った時には、形勢もやや黒ペースとなり逆転しました。

43. 車二平六 卒7進1  44. 車六進二 車6平3

43回合黒はとっさに卒7進1と卒を進めたのですがこれは悪手で、その後すぐに車六進二とされ馬と卒が牽制されてしまいました。ここでは一度馬8退7と引き、次に卒9平8と卒を連携させてからゆっくり攻撃に向かうのが正しい指し方でした。

45. 相七進五 馬8進6  46. 車六平一 馬6進7

47. 炮四進一 車3平6  48. 帥五平四 馬7退8

49. 車一退二

時間に追われて指す中で卒が1枚取られてしまいましたが、紅にもプレッシャーがかかる局面が続いたこともあってか和の提案を受け入れてくれました。確かにここから紅が勝つのも難易度が高い局面ではありますが、時間の無い中ではこちらにミスが出る可能性が高く、和になったことは正直ほっとしました。

最後に

非常に難しい内容でしたが、自分の今の力は出し切れた対局でした。特に途中で残り時間なども見ながら和を目指す方針に変え、和になりやすい形に持ち込めたあたりは今までと違い少し大人なシャンチーが指せるようになったのかなと感じています。ただ時間配分の面は大きな課題で、チャンスもあった残局を落ち着いて指せなかったのは残念でした。今後は少しでも速く正確に手が読めるよう引き続き努力していきたいです。

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