シャンチー(象棋)日本オープンの棋譜紹介【所司和晴選手対山崎秀夫選手】

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シャンチー(象棋)日本オープンの決勝戦の棋譜紹介です!

今回は所司先生の評注入りの「所司和晴選手対山崎秀夫選手」の棋譜を紹介します!

所司先生、評注を頂き、ありがとうございます!

また日本オープンの棋譜は酒井さんにも頂けたのでそちらも後日紹介します(*’▽’)

色々な棋譜があるのは楽しいですね(∩´∀`)∩

はじめに

(所司先生の評注より)

日本オープン決勝戦、山崎秀夫選手との対局です。

秋からの国内大会は快速トーナメント3位、全日本選手権6位で、日本リーグ出場権(各大会2位以内獲得)はまだ得られていませんでした。

今回の日本オープンで決勝進出したので、日本リーグの出場権もようやく得られました。

今回の大会は2回戦で早々負けてしまい、その後決勝戦まで厳しい戦いが続きました。

ですので、運良くここまで来れて十分の気持ちもありました。

ただ久しぶりに優勝のチャンスですので、決勝はがんばりました。

国際大師の山崎選手とは今までかなり負け越していますが、直近の天天象棋での練習対局では勝っているので、苦手意識は少し軽減しました。

暫定1位通過でしたので、決勝トーナメントは2局とも私が紅方です。

それでは続きの評注を見て行きましょう!

↓ ↓ ↓

棋譜紹介

紅方:所司和晴

黒方:山崎秀夫

結果:紅勝ち

   1. 兵七進一  象3進5     2. 馬八進七  卒7進1

準決勝は久しぶりに飛相局を使いましたが、決勝戦では指し慣れた仙人指路にしました。

対して象3進5はそこそこある手ですが、私はそれほどこの布局は研究していません。

自然な馬八進七のあと卒7進1でしたので、普通の仙人指路の対兵局でよくある順に戻りました。

   3. 相三進五  馬8進7     4. 馬二進四  馬2進4

相三進五は最近連載している手です。

もともと飛相局が好きでしたので、以前から経験の多い形に戻ることが多いのも理由の1つです。

相三進五と指したところでは車九進一が最も多く、私も当分そう指していましたが気になる変化があり、今は相三進五を優先しています。

課題がクリアできれば車九進一をまた採用するかもしれません。

本局は車九進一の布局と大きく違ってきます。

本譜の馬二進四、馬2進4の展開は同じ形で常に先手なので紅方が指せると思いますし、山崎選手も同意見でした。

   5. 車一平三  車1平3     6. 兵三進一  卒7進1

   7. 車三進四  卒3進1     8. 馬四進六  馬7進8

車一平三から兵三進一で同じ形が続きますが、ここで黒方は手を変えなくてはいけません。

先に車がさばけたのは大きく、黒方の卒3進1には馬四進六で応じます。

次の馬7進8は予想していなかったですが、ありがたく感じました。

ここは馬7進6がネットで指されたことがあり、難しいと感じていました。

あとで調べますと、実戦例としてはやはり馬7進6が多かったですが、本譜の馬7進8もありました。

   9. 炮二進五  炮2平8    10. 車九平八  車9進1

  11. 馬七進六  馬4進2    12. 炮八平七  車9平4 (第1図)

(第1図)

車九平八とし直車で使う方が私は好みです。

馬七進六から炮八平七でどんどんいい調子になってきました。

  13. 仕四進五  士4進5    14. 前馬進五  車4進2

  15. 馬五進三  馬8退6    16. 車三平二  車3進2

黒方の馬4進2は当りが強くなると感じましたが、ソフトでは推奨手の1つでした。

第1図ではまだ動かず士四進五が落ち着いた戦い方です。ただ右辺が薄いのは少し心配です。

山崎選手は士4進5でしたが、局後車4進3が勝ったとのことでした。

前馬進五で次の兵七進一が受からず、紅方好調です。

車4進2は車と馬炮の二枚替えを甘受した手です。

以下兵七進一、車3進4、馬六進七、車4平5、炮七進三、馬2進3の順が二枚替えの変化ですが、これは炮がなくなると勝ち切るのは難しく、和の可能性が高いです。

本局が和になると、再対局は早指しで私が黒方となり非常に厳しく、勝たねば優勝はないと思っていました。

本譜の馬五進三が好手です。これで優位が拡大です。

  17. 兵七進一  車3平4    18. 馬六進七  象5退3

  19. 馬三退四  前車進5    20. 車八進六  馬2進4(第2図)

(第2図)

その後も優位を拡大しましたが、車八進六に馬2進4(第2図)が読んでいなかったので、車八進六は間違えたかもと感じました。

局後ここは兵七進一が勝ったでしょうかの検討をしましたが、それは前車退4で難しかったです。

本譜の車八進六は正解で、次を間違えたのですが、結果オーライになりました。

第2図で長考し馬七進五と変化球でいきました。

ここは平凡に馬四進六、前車退5、車八平六、車4進1、車二進二と指してはっきり優勢でした。

  21. 馬七進五  馬4進6    22. 車二平四  后車進1

本譜の馬七進五は馬4進6、馬五進六、馬6退4で車の両取りがかかるので、はじめはだめと思いました。しかし馬4進6にじっと車二平四で、一時馬損ですが必ず取り返しが利くので、紅方良しと判断しました。

本譜もそう進みましたが、局後の検討で山崎選手はノータイムの馬4進6が悪く、じっと車4平5が最善手で、これなら紅方十分ながらはっきりしないところがありました。

23. 兵七進一  后車平5    24. 車四進一  車4退4

黒方車4退4は余計で、単に炮8平6とし車四平三に車4退4が勝りました。

検討では車四平三で兵七平六から全部交換して、馬対炮で中兵があれば紅方勝ち切れるとのことですが、ちょっと自信がないです。

  25. 兵五進一  炮8平6    26. 兵七平六  炮6進2

  27. 兵六平五  馬6進8    28. 車八退三  馬8退7

実戦は中央の二枚の兵が非常に手厚い形で紅方はっきり優勢です。

途中兵七平六に車4退1も車八平六、車5平4、馬五進四、士5進6、兵五進一で中兵が大きいです。

  29. 前兵平四  車4進1    30. 車八平五  馬7進8(第3図)

(第3図)

第3図から馬五退七で中兵も河を渡れて優勢が拡大します。

第3図から馬五退七に馬8退6は車五平四、車4退1、兵五進一で決まりです。

  31. 馬五退七  炮6進1    32. 兵四平五  馬8退7

  33. 前兵平四  象7進5    34. 馬七進八  馬7進8

  35. 兵四平五  炮6平8    36. 車五平二  馬8進6

炮6平8は次に馬8進6の狙いですが、落手になり車五平二で紅方勝勢です。

以下車4平5とすると馬八進七、将5平4、車二平六の殺があります。

  37. 車二進一  馬6退5    38. 車二平三  車4退2

  39. 馬八退七  車4進3    40. 兵五進一  馬5進7

  41. 兵五平四  馬7退6    42. 兵四進一  馬6退7

  43. 兵一進一  車4平3    44. 炮七平九 (投了図)

(投了図)

炮を取ったあとはミスなく落ち着いて指せました。

投了図からは炮九進四でゆっくり指せば、駒得と駒の働きが大きく紅方勝ちです。


〇おわりに

本局は紅方の得を生かして有利拡大、一時難しくなりましたが、そこで落ち着いて指せたのが良い結果になったでしょうか。

優勝は久しぶりで、調べてみますと2018年7月の全国選抜トーナメント以来2年5か月ぶりでした。

今週はまた天天象棋での花木杯があり、調子を維持してがんばります。 

〇表彰式後の所司先生


所司先生!優勝おめでとうございます!

また評注を頂き、ありがとうございます!

花木杯も頑張って下さい!!(*’▽’)

おわり


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