シャンチー(象棋)の中局ミニ研究紹介!

中残局・殺法

今回は中局の局例を紹介します。

この局例は、中局の局面ではありますが、実際は中炮過河車対屛風馬左馬盤河の開局で多く指される変化の一つです。

はじめに

はじめに初手から図の局面に至るまでの着法を紹介します。

  1. 炮二平五  馬8進7    2. 馬二進三  車9平8

  3. 車一平二  馬2進3    4. 兵七進一  卒7進1

  5. 車二進六  馬7進6    6. 馬八進七  車1進1

  7. 兵五進一  卒7進1    8. 車二平四  卒7進1

  9. 兵五進一  卒7進1   10. 兵五進一  士4進5

 11. 車四退一  車1平4   12. 馬七進五  卒7進1

 13. 車九進一  卒7進1   14. 車九平四

図の局面では黒の手番です。この局面における紅の攻撃陣形は経典的なものです。二つの車が肋車になります。それに中炮と盤頭馬が加わり、さらに中兵が渡っており、攻撃力のとても強い陣形です。

紅には次に「馬五進六」と指す車による殺と、「馬六進七」と指すコマ得の二つの先手があります。

では、ここで黒は何の手を指すべきでしょうか?

黒の手を考えて行きます。

手順考察

上の図の局面からの手順を考えて行きます。


パターン1:

14. 。。。 炮8平6

黒は炮を移動させ、紅の肋車を防ごうとしますが、紅は車交換により、馬を前に進めることが出来ます。

15. 前車平六  車4進3 16. 馬五進六

次に黒の馬が逃げると、紅は車4進6の手を指すことが出来ます。また、黒がもし象7進5すると、紅は兵五進一と指し、炮2平5馬六進五象3進5車4進6と進むと、紅が大優勢な局面になります。

この変化は紅の指しやすい局面になりました。


パターン2

14. 。。。 車4進5

黒が紅の攻撃を無視して、車4進5と指し、対攻して行く手は最善手です。

15. 馬五進六  卒7平6   16. 後車退一  炮8平6

17. 前車平三  車8進8   18. 馬六進七  車8平4

第18回合で紅が馬六進七と指さずに、仕六進五と指しても、黒が車4進2と指し、仕五退六車4退1と進むと黒が大優勢です。

第18回合までで紅はコマ得ですが、黒は双肋車の形になり、攻撃態勢になりました。

19. 仕六進五  後車平3   20. 相七進九  車3進1

ここまでで、黒は必ずコマを取り戻すことの出来る局面になりました。また、黒の二つ車に対して、紅は仕相不全なため、黒は大優勢な局面です。


〇おわりに

今回研究・紹介した局面は、結論から言うと、黒が対攻して行く最善手を指すと、黒が有利になる局面です。そのように進んだ理由は、第12回合の紅の馬七進五にあります。紅の盤頭馬と後の横車は一見強そうに見えますが、黒の卒が相をとった後、黒の反撃力も弱くありません。

そのため、第12回合でプロの対局では車九進一、兵五平四、炮五進二と指される手が一般的です。これらの指し方であれば、紅は正しく指せば不利になることはありません。ただ、アマチュアの試合では馬七進五の手も時々出るため、黒として、正しい対応を理解していると良いかな~と思い今回は紹介してみました^^


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