シャンチー(象棋)終盤の勝ち切る力を学べた気がした日

中残局・殺法

はじめに

シャンチー(象棋)は少し優勢になってもその優勢を勝てるまでの優勢にするのはとても難しいゲームです。そして最近甲級リーグの試合を観戦していて、シャンチーは本当に勝つのが大変なゲームなのだなと心の底から感じました。 (簡単にポンポンポンとは行かないのですね…)

「勝ち切る力」を身に付けるのは本当に時間のかかるものだと思います。

おそらく日本人の多くのプレーヤーに共通して、勝ち切る終盤力が不足しているように思います。もちろん私もその1人です。私はとくにその力が足りずに開局で作った少しの優勢(場合によってはだいぶ優勢)を終盤でどんどん挽回されて逆に負けてしまうことも多くあります。

この終盤の力を付けることは1つの課題だなと感じていましたが、なかなか上手く行かずに伸び悩む時期が続いています。(現在進行形)

そんな中、先週末に甲級リーグの黄竹風選手と孟辰選手の試合を見ていて、何か感じるものがありました。試合の攻防がとても力強く、「次はどのように攻撃を組むのかな?(展開方法)」と一緒に考えながら試合を観戦していました。

これはリアルタイムの観戦なので、どこでどのように時間を使ったが分かるので、試合の中のポイントになる局面も把握しやすいです。(またこの放送では、見ている人がコメントを書き込みながら楽しむことが出来るので、「あ、紅が良くなった」とか「この局面なら車交換かな?」などと言った色々な人のコメントも見ることが出来ます。←あまり役に立たないコメントも多いですが…)

そして、この1局を見終えた後に、終盤のハイライトである攻撃方法(勝ちに行くコマの動かし方とそれを回避する受け方)をとても良く学べた気がしました(もしかすると気のせいかもしれない←|д゚)え)。

今回はとくにその試合を説明しようと言うわけではなく、ただこの試合の攻撃を一緒に考えながら見ていて勉強になったんだ~と伝えたいだけの記事です。

(なんだそれ)

一応全局譜を掲載しますが、下の図が登場する場面から考えながら見てもらえればいいかなと思います。開局は「中炮両頭蛇対左三歩虎」です。開局も布局がしっかりしているので勉強になります。開局にも興味があれば全局譜を並べてみて下さい(^^)/

それでは記事をお楽しみください!

試合棋譜

紅方:黄竹風

黒方:孟辰

結果:黒勝ち

1. 炮二平五 馬8進7   2. 兵三進一 車9平8

3. 馬二進三 炮8平9   4. 兵七進一 卒3進1

5. 兵七進一 車8進4    6. 兵七進一 象3進5

7. 馬八進九 卒7進1    8. 兵三進一 車8平7

9. 車一進一 車7平3       10. 兵七平六 馬7進6

11. 兵六平五 馬2進3 12. 車九進一 馬6進4

13. 前兵進一 炮2平5 14. 車九平七 車3平7

15. 車七進三 車1平2 16. 車七平六 車2進7

17. 炮五進五 象7進5 18. 馬三進四 車7進5

19. 車六平五 馬3進4 20. 車五進一 車2平6

21. 馬四退五 車7退5 22. 兵五進一 車7平5

23. 兵五進一 馬4進2 24. 馬九進七 馬2進4

25. 兵五進一 象5進3 26. 馬七進六 馬4退5

27. 馬五進七 馬5進4 28. 車一平六 車6平5(図1)

(図1)

ここからが攻防ハイライトのスタートです。

見ていた時は、これまで概ね均整かな?と感じていたのですが、このあたりから、「あれ、何だか黒が良くなってきたような気がする」と感じました。

29. 仕四進五 馬4進6

30. 帥五平四 炮9平6

31. 馬六退四 馬6進8

32. 帥四平五 車5平9

33. 仕五退四(図2)

(図2)

紅が士を下げた後、確かに何か黒には攻撃がありそうだけど、どのような攻撃をするのかな?と一緒に考えていました。

黒は   …馬8退6

34. 車六平四 車9進1

35. 帥五進一 車9退2

36. 馬七進六(図3)

(図3)

ここでまた黒の番です。紅もなかなか頑張っています。

紅の馬の位置が少しづつ前に来ているのでとても緊張感のある局面です。

黒の指した手は   …炮6進2

37. 車四平三 炮6平5

38. 車三進四(図4)

(図4)

車が炮の線まで上がりました。黒の炮はよけるのだと思いますが、紅の車の位置も少し前に行きました。(私が黒なら緊張してしまう局面です…)

黒は…炮5進1

39. 帥五進一 馬6進8

40. 帥五退一 車9平5

41. 帥五平四(図5)

(図5)

何だか黒が攻撃をしている気はしますが、紅の馬もどんどん前に来ているな…。黒どうするのかな…と言う感じでみていました。

黒の指した手は…馬8退7

42. 馬四退三 車5平6

43. 帥四平五 車6平1

(攻撃をしつつも確実に兵をとって行きます)

44. 馬六進四(図6)

(図6)

また一歩馬が前に来ました…。残局になると本当に馬の一歩は早いのですね…。何だか紅にもチャンスがありそうだな・・・・。黒はどうするのかな?とこっちもドキドキしていました。

黒の指した手は…車1進2

45. 帥五退一(図7)

(図7)

何だか紅にもチャンスがありそうだな…。黒は勝てるのかな…、と考えながら炮はどうするのかな?とか、紅の馬のジャンを考えていました。

ここで黒の指した手は・・・・馬7進9

(そうだ。攻撃とはこう言う力強い手を探すことなのだ!と感じました)

46. 馬四進三 将5進1

47. 前馬退四 将5退1

試合はここで紅が投了したか時間が切れて負けになりました。


このブログの記事を書こうと棋譜をならべていたのですが、この先にもう少し続けようと思えば何となくお互いにまだ指せそうな展開がありました。

48. 馬三進一 炮5退1 (図8)

(図8)

(黒の臥槽馬の攻撃があるので、紅は車と大駒2枚を交換する方針で頑張ってみます)

49. 兵五進一 士4進5

(紅の兵が良いところにあるので、紅も攻撃を頑張ってみます)

50. 兵五進一 将5平4① 51. 兵五進一 将4進1

52. 車三進三 炮5退3 53. 馬四進五 馬9進7

54. 車三退七 車1平7 55. 馬五退四

(ここからまだまだ長い試合が続きそうです…)


①50.   … 士6進5 51. 車三進四 士5退6

52. 馬四進六 将5平4  53. 馬六退五 馬9進7

54. 車三退八 車1平7  55. 馬一進三


おわり

こんな感じの攻防戦でしたが、個人的にはとても勉強になりました。

(プロの試合ってすごいですね!)

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