“棋聚五洲”第1回世界シャンチー(象棋)インターネット棋王賽の途中経過と棋譜紹介!(所司和晴選手の評注入り)

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“棋聚五洲”第1回世界シャンチー(象棋)インターネット棋王賽の途中経過と所司和晴選手の3ラウンドの棋譜を紹介します!所司選手の棋譜は評注入りです!(ありがとうございます!)

○大会の記事

途中経過

日本選手の試合の途中経過です!

(私の観戦記録、概ね心の声←なんだそれ)

1R

鄭靖慷(東マレーシア) 勝 所司和晴

楊帆 負 朱岳平(イタリア)

可児宏暉 負 陳智全(カンボジア) 

羅兆強(カンボジア) 勝 田中篤

ネット対局一日目…。みんな大丈夫かな、操作ミスしないかな…ちゃんと時間にはじまるかな?とお母さんみたいな私がいました。(←年齢的におかしい)一日目はみんなとりあえず雰囲気を知りましょうと言った日。初戦の所司先生の感想「落ち着きませんでした…そわそわして・・・」と…!そわそわがだいぶ面白かったです。そしてあとで気が付いたのですが、所司先生の相手は…私のポケモン大親友でした(笑)


2R

田中篤 勝 杜銘(イギリス)

塞利亜兹尼奥(ベラルーシ) 負 可児宏暉

新加坡 李永耀(シンガポール)  勝 楊帆

所司和晴 和 呉志勇(シンガポール)

田中選手の相手は一日目に不戦敗になっており「来るのかな?」と始まるまで心配していたのですが、試合開始後にテーブルに行くと「いました!」良かった良かった…!結果も一番に「終わりました。快勝。」と報告がありました!

そして可児選手の部屋へ行くと…思った以上に相手にミスが出ない!(←何でしょうこの感想)相手の棋力を勝手に考察し早い段階でミスが出ることもあるのかな…と思っていましたが…思ったよりも前半は均整に進みました…。とは言え優勢になってからは早かったです(*^^*)この対局はNC/NVのライバル選手、セルゲイさんもずっと観戦されていました。セルゲイさんにとっても可児さんは注目のライバルなのですね…!

そしてですね…これはふれておかなければ!

対局中に井上さん(←チームジャパンの仲間)が「井上、感染しています」とチャットしてきました…「…え?(心の中で一気にコロナがちかくなった…)(サー…と何かが引いて行った感じ…)」となり一瞬観戦の思考が止まった直後「井上、観戦しています」に変更、前のメッセージ削除…(いやいや削除しても見ましたよ!となりました!)対局が吹っ飛びましたが、井上さんの誤変換が素のミスなので一応ひと言突っ込んでから心の中にしまいました。そんな二日目でした。


3R

可児宏暉 和 林秀偉(スペイン)

劉逸民(オーストラリア) 勝 田中篤

鄭玉堂(アルゼンチン)負 所司和晴

楊帆 和 万子健(東マレーシア)

所司選手がインターネットに慣れてきたようで、初勝利!そして謎に3ラウンドずっとあたりがきつい楊選手もポイント獲得です。とは言え今日はあれです…。どうしても可児選手に勝ちたいと考えている選手からしっかりと引き分けを守った可児選手の素晴らしい防衛戦に拍手です(*’▽’)パチパチ

全体的に見て… 

3Rを終えた時(4/11)、全勝で6ポイントの選手は5名です。3名がカンボジア選手(羅兆強選手、範思善選手、王文賢選手)、あとはイギリスの陳発佐選手とベトナムの陳慧莹選手です。私が予選通過候補と見ていた選手が一人も3連勝には入っておらず…「どうなるの~???」と勝手に盛り上がりつつ、3日目終了です!明日でまた上位順位の入れ替えがあるかな…とワクワク…!


4R

鄧浚銘(東マレーシア) 負 可児宏暉

所司和晴 勝 セルゲイ(ベラルーシ)

田中篤 負 劉京威(東マレーシア)

鄭玉堂(アルゼンチン) 勝 楊帆

ついにNC/NVのライバルであるセルゲイ選手と日本の所司選手があたりました~!注目の一戦でしたが所司選手が見事に勝利しました(*´▽`*)!(試合前の所司先生は初日のようにそわそわしていましたが勝って良かったです…!)可児選手の一局は何だか難しかったです…(←感想が…)。ただ観戦していた私としては全体的にこれぞ可児さん!と言った指し方だったように思います!そういう意味では難しい試合だな~と思っていましたが持ち味が出せていると言う意味で可児さんペースかな~と思っていました! (完全に後半は可児さんが局面を握っていました!)

そして今日の私の観戦ですが、とても忙しかったです…!日本チームのみんなが良い対局をしているので、あっちに行ったりこっちに行ったり、また戻ってみたり…観戦ツアーをしていました(笑)とても頭を使うツアーでしたが楽しかったです。みなさんの様子を見ているのはあれです…!親心(←?)


ここまでのまとめ:

日本チームとしてはここまでの4試合、内容的にはどの対局もしっかりしたものを指せているかな~と思います。みなさんの対局内容は今後に繋がる良いものだと思います。また、 参加者全体のここまでの様子を見ると8ポイントの王文賢選手(カンボジア)が単独トップ、その後に7ポイントの羅兆強選手(カンボジア)、範思善選手(カンボジア)、陳発佐選手(イギリス)の3名が続いていています。

全体の順位も、日本選手の対局の様子も、明日からの後半戦がどのように進むのかが楽しみです(*´▽`*)


参加されている選手のみなさん

引き続き頑張って下さい~!!加油(*´▽`*)

棋譜紹介

3ラウンド目の対局の評注を所司選手に頂きました!

みなさん是非お楽しみ下さい(*’▽’)


紅方:鄭玉堂(アルゼンチン)

黒方:所司和晴

結果:黒勝ち

インターネット世界大会3回戦です。 1局目負け、2局目引き分けでまだ勝利はあげていません。 3局目アルゼンチンの鄭玉堂選手は国際名人戦にも出場されていますし、他の国際大会にも出場されています。 国際大会では有名選手とたくさん戦っています。 私は黒方で、鄭玉堂選手の棋譜を調べますと、なんでも指せるようでした。 ですので、とくに詳しく調べませんでしたが、なんとなく仙人指路かなという予想は当たりました。

1. 兵三進一 卒3進1 2. 馬二進三 馬2進3

3. 炮八平五 馬8進7 4. 馬八進七 車1平2

5. 車九平八 炮8進4 6. 兵五進一 炮2進4

7. 馬三進二 象7進5 8. 馬二進三 炮8平7

対兵局の出だしになりましたが、結局は中炮対屏風馬の黒方双炮過河の布局になりました。 7着目馬三進二はあまり経験がない手です。しかし象7進5が最も多い手で正しかったです。 対して布局である車一進一のあと、どういう展開になるかわかっていませんでした。 本譜の馬二進三はありがたいで手でした。炮8平7として車9平8の活用が見込めます。

9. 炮二平三 車9平8 10. 馬三退四 馬7進6

車9平8で直車が使え、黒方好調です。 馬三退四は考えられていたので、悔しい後退と思います。 ただ私も調子に乗って馬7進6の躍動ですが、最善手は炮2退1でこれならはっきり紅方有利でした。

11. 兵五進一 炮7平5 12. 仕四進五 卒5進1

本譜は兵五進一の勝負手で、平凡に卒5進1は兵三進一で難しいと思います。炮7平5からは読み筋です。

13. 馬七進五 炮2平5 14. 車八進九 馬3退2

15. 馬四進六 炮5平1 16. 兵三進一 馬6進7

15着目炮5平1は炮5退1や卒5進1もあり、迷いました。この2つの手は帥五平四のとき悩ましかったです。 本譜の方が炮1退2の含みがあり、勝るかなと感じました。

17. 兵三進一 車8進5 18. 炮三平一 馬7進5

兵三進一は普通ですが、ありがたいと感じました。ここは兵七進一として、卒3進1は馬六進八の活用があり、悩ましかったです。 車8進5で、車がいい線を握り黒方好調です。紅方の車との働きで大きな差が出ています。 炮三平一もありがたいとは思いましたが、次の一手に迷いました。 本譜の他に馬7進9、車一進二、車8平4と進む変化もあります。ただ以下馬六進五、象3進5、炮五進五と勝負されると、象がない場合に車、炮がある展開はちょっと怖いです。 本譜も簡単ではないですが、馬7進5の交換から車8平4での駒得は無難に感じました。

19. 相三進五 車8平4 20. 馬六進五 象3進5

21. 炮一進四 車4進1 22. 兵一進一 馬2進3(図1)

(図1)

21着の局面は黒方有利ですが、次の一手をどう指すか迷いました。普通は車4平8で良いと思いますが、本譜はちょっと凝った戦い方にしました。 車4進1は次に車4平9があります。自然な兵一進一に馬2進3(図1)で、いいタイミングで馬を上がれたと思います。 これで車の活用での反撃は押さえられるという読みです。

23. 車一平二 車4平8 24. 車二平四 車8平6

25. 車四平二 車6平8 26. 車二平四 士4進5

27. 車四進六 馬3進4 28. 車四平九 車8平3

車一平二に車4平8が用意の受けです。いったんは車8平6で様子を見ましたが、2回目の車二平四に、やって来いと士4進5で待ちました。 車四進六は次に車四平七の圧馬がありますので、馬3進4と活用します。車四平九の先手に車8平3で対抗します。このあたりは怖いながら、駒得と車と炮が離れているので大丈夫そうです。

29. 兵三進一 車3平7 30. 炮一進三 象5退7

兵三進一は次に炮一平五の殺(詰めろ)を見ています。炮一平五とされると危ないようですが、まだ馬4退3、車九進三、馬3退4で黒方大丈夫なのが読み切れました。 決断して車3平7を指せたのが大きかったです。ようやくネット対局に慣れたといいますか、落ち着いた戦い方が出来ました。 炮一進三のジャンはありがたかったですが、炮一平五も前述した通りで大丈夫と思います。

31. 車九進三 士5退4 32. 兵三平四 炮1平5(投了図)

(投了図)

兵三平四に炮1平5(投了図)で一気に黒方勝勢になりました。 投了局面から帥五平四よりありませんが車7平6、帥四平五、車6退4と嫌みな兵を取って盤石です。

持ち時間もたくさんあったので、もう間違えないと思いましたが、投了していただいたのはホッとしました。 これで1勝1敗1和の五分で何より初勝利できましたので安心でうれしいです。

コメント

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