今日はカナダとの大会の最終日でした!
1-8ラウンドでチームポイントをとることは出来ませんでしたが、参加された選手の皆さんも最大限努力をされたと思いますので、交流会自体は大成功だったと思います…! (*´▽`*)
また、最終台の井上さんの対局が面白い内容だなと思ったので、私が評注を入れた棋譜を紹介させて頂きます! (観戦していてもう少し考えたくなったので、大会終了後に評注を書こう!となりました!^^)
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最終日試合結果
7R
李大光 2-0 麻生達郎
羅頔 2-0 高橋淳司
王振華 2-0 田中篤
張穎茵 0-2 楊帆
Olivier Tessier 2-0 所司和晴
梁強 0-2 徐光亜
馬興威 2-0 曽根敏彦
関靄洪 2-0 井上奈智
8R
李大光 2-0 曽根敏彦
羅頔 2-0 井上奈智
王振華 2-0 麻生達郎
張穎茵 0-2 高橋淳司
Olivier Tessier 2-0 田中篤
梁強 1=1 楊帆
馬興威 1=1 所司和晴
関靄洪 2-0 徐光亜
所司先生には、ベストパフォーマー賞が贈られました!
所司先生、おめでとうございます!
色々なお話し
○ライブ中継
李鴻嘉大師によるライブ中継ですが平均的には6万人、多い時には9万4千人以上の方が観戦していました…!(すごい…!)
シャンチーが中華圏でとても人気があることが伝わって来ました…! (日本にも本当はもっとシャンチーの愛好者の方がいるのではないかな~と感じます…)
「YY直播間」と言うライブ中継のサイトだったのですが、今後登録してみても面白そうだな~と思いました。元々多くのシャンチーファンがいるので良さそうだな~と…。とは言え現状では中継する人も対局もあまりないので…、まずは選手を増やすことを頑張りたいです!!
ちなみにライブ中継はこんな感じでした↓
○閉会式
日本の皆さんはあまり見ていなかったと思うのですが、合同グループチャットで閉会式を開催していました。しかも謎に司会進行私…。(なぜ私!!!)
まずは私の挨拶、そして次に「カナダの首席からお言葉を頂きます…」みたいな司会進行…(笑)
見ている人いるのかな?と思いながらやっていました。
そんな時に私のあいさつ文を所司先生が翻訳ソフトで翻訳して下さって、「すばらしい文章」と褒めて下さいました…(あ!読んでくれる人がいた!笑)とても嬉しかったです!
その文章も昨日の夜「最後にひと言挨拶してね」と言われていたので、ひと言考えていたのですが…、朝になったら「私の文章これでどうかな?」と長文が送られてくる…
ひと言とは!!!
と言うことで…、朝猛スピードで準備しました…。
そして閉会式でカナダ選手に参加証明書とベストパフォーマー賞を発行し、無事終了です!
(私の挨拶↓)
各位参赛选手,工作人员,观赛棋友:
大家好! 首先向认真参加比赛的日本加拿大的棋手们表示感谢,大家比赛辛苦了。 非常感谢加拿大的棋手们愿意抽出时间与日本队交流!特别是张颖茵选手展现风度与所司选手重赛! 去年参加了在加拿大举办的世界象棋锦标赛,受到了热情友好的接待。
今年世界遭受疫情冲击,很多重要活动及比赛都停摆。幸好象棋运动以它的特质,可以通过网络竞技继续开展。 今年以来,日本棋手通过网络平台积极与世界各国棋手切磋交流,找到差距,积累经验,增进友谊!
这次与加拿大棋友的交流比赛圆满成功。日本队的成绩稍逊,但是比赛内容都很不错,大家都很努力认真,也都留下了很多精彩的棋谱。 感谢选手们的付出以及加拿大象棋协会的组织协调,还有李鸿嘉大师的直播指导。
希望今后继续加强日本与加拿大的互动交流,谢谢大家。
日本象棋协会 理事长 中村千鹤
○裏話
今日無事に大会が終わったのですが…
閉会式をやりながら…スマホに色々なメッセージがポコポコ送られてくる…
閉会式で参加証明書とベストパフォーマー賞を送った直後…
「スタッフに賞状送って」とカナダから来ました…
「???」
(それは一体何でしょう…?)
「はじめて聞きましたが、何のことでしょうか…?」
「記念にスタッフにも何か作って!」と…
(私にくれるのではなく私が作るのですね…笑)
(良く分からない画像でも記念になって喜んでもらえるのなら…ということで)
日本にとっては良い勉強の機会を頂いたこともありますし、感謝の気持ちを沢山こめて作りました(*´▽`*)
が…、私って何なのでしょうか…と
自分の存在意味を考えた一週間でした…(チーン)
便利屋とか…?…|д゚)…;;
とは言え、試合運営をしながら監督をやったり、審判員をしたり、大変でしたが、みなさんの対局を色々と見ることが出来て良かったです! そして最後2日間は試合開始宣言もさせて頂きました…笑 (日本の皆さんは気付いていたかな…)
…今回は試合大成功と言うことで、便利屋疑惑はおいておきましょう( ..)φ
スタッフの方への賞状?的なものは、30分ぐらいでバサバサ作ったところ、わりとアレ(どれ…)なものが完成しましたが、向こうは喜んでくれたので良かったです!
自分のも自分で発行しました!(笑)
あと参加証明書やベストパフォーマー賞を手伝って下さった松野さんにも!!
(ここが一番心を込めて作りました!(*´▽`*))
松野さん、ありがとうございます!
ちなみにこんなのです(笑)↓
(みなさん…笑わないであげましょう)
棋譜紹介
紅方:羅頔
黒方:井上奈智
結果:紅勝ち
1. 炮二平五 馬8進7 2. 馬二進三 車9平8
3. 車一平二 馬2進3 4. 兵七進一 卒7進1
5. 車二進六 馬7進6 6. 馬八進七 象7進5
開局は経典的な中炮過河車対屏風馬左馬盤河です。黒の象7進5は比較的穏健な指し方です。ただ、反撃力が少し不足するとも考えられています。ここでは、車1進1が現在一番流行している指し方です。車一進一は局面が複雑になり、黒にも多くの反撃手段があります。
7. 車二退二 卒7進1 8. 車二平三 炮8平7
第7回合の紅の車二退二も比較的穏健な対応です。ここでは炮八平九の変化が多く使われます。変化の例を挙げると、卒7進1車二退一卒7進1車二平四卒7進1車九平八炮2平1(車1平2車四平二と進むと紅の2つ車が黒の車炮を牽制しており、満足です)馬七進六、と進み紅の左車が先に出動し、馬も前向きで、十分と考えられます。
9. 炮八平九 車1平2 10. 車九平八 炮2進4
第9回合で黒には炮2退1の変化もあります。これは第8回合の炮8平7とつながりのある手段です。次に紅は馬七進六炮2平7馬六進四後炮進4馬四進三車8進2兵三進一車8平7相三進一車1平2、と進み黒には車が2つあり、十分です。もちろん実戦の黒の車1平2の手も間違いではありません。
11. 相三進一 炮2平3(図1) 12. 仕六進五 車2進9
第11回合の黒の炮2平3はミスです。ここで、黒は車8進6と指すと十分な局面です。
第12回合で紅はチャンスを逃がしました。ここでは車八進九と指し、炮3進3士六進五馬3退2炮五進四士6進5炮五退一馬2進3車三進一車8平6馬七進六と進むと紅が優勢です。
13. 馬七退八 車8進5 14. 兵五進一 士6進5
15. 炮九平六 炮3平4 16. 馬八進九 卒3進1
第15回合の黒の炮3平4の意図が少し不明確なので私の推測ですが、次の紅馬八進九の後、3路の炮が動く必要があるため、先に3路の炮を動いたのかな…と考えました。ただ、もしもそうであった場合、相手がまだ来ない手に対して先に対応するのは効率が高くないように感じます。ここでは、黒炮7進4で攻撃的に指すほうが効率的です。次に紅がもし馬八進九と指し車8平7相一進三炮3平9と進むと、黒が兵をとるついでに炮が逃げ、黒が反先で、多少有利です。
第16回合で黒はすでに炮3平4と指したので、紅には馬八進九と指しても先手がありません。ここでは馬八進七炮7進4車三平二馬6進8馬七進八と進むと対攻局面でした。
17. 兵七進一 象5進3 18. 炮六平七 象3退5
第18回合で紅は車三進一車8平6兵三進一車6進1車三平二と指すと、次に紅には兵三進一の先手があり、満足です。そのため、第16回合で黒は炮7進4と指す手が正解だったようです。
19. 馬九進七 炮4平1 20. 炮五平六(図2) 炮1平7
第20回合で紅は直接、炮七進五炮7平3炮五進四と、紅は中卒をとっても十分です。
第20回合での紅の軟手に対して、黒がもし車8平7と車交換をする場合、次に相一進三炮1平7炮七進五後炮平3相七進五炮3平4と進み黒のコマの位置が有利です。ここで黒は、紅の車を逃がしたことで今後の局面のコントロールを難しくしました。
21. 車三進二 車8進1 22. 炮七進五 炮7平3
第21回合で黒が引き分けで満足であれば、車8退2車三退二車8進2で車交換を追求する手があります。実戦の車8進1は対攻する局面を目指す手です。
23. 馬七進六 炮3進5 24. 馬六進八 馬6退4
第23回合の黒の炮3進5の反撃は見事です!そこから考えると、紅の馬七進六の手はあまり良くないようです。第23回合で紅は車三平五と指す方が良さそうです。次に黒が炮3進7と指し兵五進一馬6進8車五平二と進むとお互いに複雑です。
25. 車三平五 馬4退2 26. 仕五進四 炮7平2
27. 馬三進四 車8平4 28. 仕四進五 車4平9
第27回合までで、黒がすでに優勢です。しかしここで黒は一番強い攻撃を逃しました。ここでは黒は車8平6で必ず士をとることが出来ます。
29. 車五平二 象5退7 30. 炮六進三 炮2平5
第30回合で黒には炮2進3の手があります、その後炮六退五(士五退六車9平5士四退五車5退1、黒が十分)炮2平4帥五平六車9進1と進むと、黒は兵種が有利です。
31. 帥五平六 炮3退6 32. 車二平三 象3進5
33. 炮六平八 炮5平2 34. 車三平七 炮3平4
35. 炮八進二 炮2退4 36. 車七進一 炮2退2
37. 車七進二 炮2進2 38. 車七退一 炮4進4
39. 馬四進五 炮2平4(図3) 40. 帥六平五 前炮平2
上記の数回合で紅はずっと攻撃しているようですが、黒の陣形は固く、逆に紅の陣形が乱れています。このような点から局面は黒のほうが多少有利です。
そのため、第40回合で紅は馬八進六と指し、士5進4馬五退六車9平4帥六平五車4退1兵五進一と言うような展開で引き分けを目指すべきかもしれません。(実戦で紅がそのように指さない理由に、紅方が形勢判断を少し誤って理解している可能性もあります。)
41. 車七退四 炮2進4 42. 相七進五 車9進1
43. 馬八進七 将5平6 44. 兵五進一 車9進2
45. 仕五退四 炮2平6 46. 車七平三 炮6平8
47. 車三平二 炮8退3 48. 帥五進一 炮8平5
49. 相五退三(図4) 車9退5 50. 車二平四 士5進6
上記の数回合で、黒は紅の殺をうけながら、紅の士相を削りました、とても上手い指し方です。第49回合で、おそらく時間の緊迫によるものと考えられますが、黒がミスをしました。ここで黒が車9平7と指すと、相を削るのと同時に紅の馬の攻撃線路も封じることが出来、黒大優勢でした。
51. 兵五平四 炮4退1 52. 馬五進三 将6進1
第51回合は黒の最後のチャンスでした。
黒が車9進4帥五退一車9平7と進むと、まだ黒の方が十分な局面です。
53. 兵四進一 士4進5 54. 馬七退六 炮4進1
55. 車四平二 車9進4 56. 帥五退一 車9平7
57. 車二進四
○おわりに
この一局は試合の内容が複雑で、とても細かいです。開局から中局まで、紅黒がお互いに小さいミスがありますが大体均勢です。中局の後半、紅は局面の誤判断からか、引き分けを目指す指し方をせず攻撃を続けました。そんな中、黒は紅の攻撃を守りながら、紅の士相を削ってゆき、とても見事な指し方でした。最後の残局では黒も時間が少なく、チャンスを逃してしまいましたが、全体的に、両選手がお互いに高いレベルを発揮した対局だなと思います。
観戦していてとても考えることのある対局だったので、評注を入れて紹介させて頂きました!
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