マカオとのシャンチー(象棋)交流会の棋譜紹介【楊帆選手対李梓毅選手】

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週末にマカオと日本とで交流会を行いました!

これまでマカオとの交流会で、マカオの李梓毅選手(マカオの強い選手)から勝ちポイントをとることに苦戦してきましたが、今回は持ち時間がのびたためか…李くんからポイントを上げた選手が2名いました!素晴らしいです!!

そこで今回は楊帆選手に李くんとの棋譜を頂きました!楊さん曰く、持ち時間が長かったことはとても大きかったそうです…(15分のびたのは大きいのですね…!)

とは言え…最後はお互いに1分を切っており、観戦していた私にとってはとてもハラハラした試合でした。大体試合のクライマックスは時間がない中の緊張感のある戦いだなと思いますが、今回もそうでした!

交流会について

○開催日

8月29日(土)

○持ち時間

45分+10秒(1手5分以内に指すルール)

→これまでマカオとは20分+10秒や30分+10秒などで何度か交流会をしていますが、これまでの対局会を見てきた中で「時間があればもう少し面白い試合になりそうだな~…」と言う対局が多くありました。そこで今回はマカオの監督と話をして持ち時間の長い対局をしてみよう!と言うことになりました!

「良い棋譜が生まれたらいいね!」と言った思いをこめて(*’▽’)

実際にやはり持ち時間が短いよりも内容は良くなったかな…と思いました!

ただ1、2局目と3局目の間に時間を長くとり、その間にマカオの選手は棋院に集まって色々していたためか…後半一局…何だかボロボロな方がいました…;;;(ラッキーなのか何なのか…ポイントはもらえますが…重要なのは勉強なので…少し複雑です;)

きっと疲れていたのでしょう…(+o+)

これまでは30分+10秒で1日で5局指したりしていましたが、これはわりと体力をつかいます…。(ハードだ…)今回は45分+10秒で1日で3局でしたが、局数的には疲れすぎませんし、悪くはないのかな…?と思いました。(皆さんは30分+10秒と45分+10秒、どちらが良かったのかな・・・と少し気になります(*´▽`*))

○結果

今回はとくに総当たり戦をしたわけではなく、マカオの監督と話し合い、お互いの選手のレベル感からそれぞれの選手が勉強になるかな?と思う相手を選び組み合わせを作りました。そのため成績はそんなに重要ではないと思うのですが、まあ…結果だけ言うと…マカオの勝ち!と言うことでした。

棋譜紹介

(評注:楊帆)

週末はマカオとの交流大会を行いました。今回紹介する棋譜はマカオのエース李梓毅選手との試合です。私にとって、久しぶりの激しく対攻した対局でした。

紅方:楊帆

黒方:李梓毅

結果:紅勝

1. 兵七進一 卒7進1 2. 炮二平三 象3進5

3. 馬二進一 馬8進7 4. 車一平二 車9平8

5. 炮八平五 炮8進4 6. 馬八進七 馬2進4

7. 車九進一 炮2平3 8. 車九平六 馬4進2

開局は対兵局紅兵底炮で、普通に進みました。第7回合の黒の炮2平3で定跡から外れました。ここで定跡では黒が卒3進1と指す手があります。次に紅が兵七進一と指すと、車1平3兵七平六車3進6と進み、黒が早めに車を出動して、紅に対抗することが出来ます。

第8回合は紅黒お互いに最善手ではなかったようです。

第8回合で紅は先に兵三進一と指すと、黒の卒7進1の後、紅は車九平六と指し、もし黒が馬4進2と指すと紅は車六進六で、大きな先手です。同じ第8回合で黒は馬4進6と指した方が良かったようです。将来紅の三兵からの攻撃を守ることが出来ます。

この開局では定跡から外れると、お互いに判断が難しい局面になります。

9. 兵三進一 士6進5 10. 兵三進一 炮8平7

11. 車二進九 炮7進3 12. 仕四進五 馬7退8

第11回合で紅は思い切って、対攻の指し方をしました。紅は相損ですが、過河兵があり、戦えると思いました。ここでは紅車二平一の指し方もあります。次に紅には馬一進三の先手があります。そのため、もし黒が車8進6と指すと、紅は兵三進一で、安全な先手を得ることが出来ます。この指し方は私に合っているようです。

13. 兵三平二 卒3進1(図1) 14. 車六進三 卒3進1  

(図1)

第13回合で紅の兵三平二は速度が遅いようですが、せっかく渡った兵がまたとりかえされるのは痛いです。そして、ここで一つ罠をかけました。第13回合で黒がもし馬8進7と指すと、車六進三馬7進8車六平二馬8退7車二退四と進み、紅が優勢です。

第14回合の紅の対応で紅は先手を失いました。ここで、紅は車六平八と指し、車1進2馬七進六卒3進1馬六進七馬2退3炮五進四車1退1相七進五炮7平9馬一進三と進むと、紅のコマの位置が前向きで、紅が有利でした。

15. 車六平七 馬2進3 16. 車七平四 車1平2

第16回合の黒の車1平2は少し緩手です。ここで、馬3進2と指すと、紅は相七進九と指すことが出来ず(黒には馬2進3馬3退5の手段があるため)、帥五平四などと指すことになります。ここで、紅の相が必ず損なので、防衛に心配があります。

17. 炮五平四 馬3進2 18. 相七進五 炮7平9

第17回合、紅は陣形の調整のために良い手を指しました。この手により、紅は防衛線の心配がなくなります。

19. 馬一進三 馬8進7 20. 兵二進一 車2進4

21. 兵二平三 馬7退8 22. 車四進二 炮3進4

23. 炮四進一 馬2進3 24. 帥五平四 炮3平6

第22回合の黒の炮3進4は不利な状況で、最大限紅に反撃する手です。

第23回合で紅は実戦の対応も良いですが、ここでは、馬三進四の変化もあります。次に黒が炮3平9と指すと、紅は車四進二と指すことで対攻します。その後の変化は複雑ですが、黒の双炮の攻撃に対して、紅は帥五平四で攻撃を解消することが出来ます。黒の車が左側に行けない限り、対攻中でも紅が優勢です。

25. 車四退三 卒9進1 26. 兵三平二 馬8進9

第26回合の紅の兵三平二は局面をコントロールするための手です。黒の8路の馬が出られるチャンスがなくなりました。

第26回合で、黒がもし間違えて馬3退5と指すと、紅は馬七進六でコマ得し、大優勢です。

27. 兵二平一 馬9退8 28. 車四進五 馬8進7  

29. 炮三進五 車2平7 30. 炮三平二 士5進6

第30回合、黒は士5進6と指さないと、紅の炮二進二で殺になります。

31. 炮二進二 象7進9 32. 車四退一 車7進2(図2)

(図2)

第32回合で紅がもし間違えて、馬三進五と指し馬が逃げると、黒は車7平6で殺です。

ここまで、黒がコマをとり戻しましたが、紅のコマの位置が良いため、紅は先に攻撃を展開することが出来ます。

33. 馬七進六 車7平5 34. 馬六進七 車5平8

35. 車四進二 将5進1 36. 車四退一 将5退1

37. 馬七進五 炮9平4 38. 仕五退六 馬3退5

第37回合で黒の炮9平4は不利な状況で、頑張った指し方です。強豪選手の底力のある指し方です。

第38回合で紅は最善の対応をすることが出来ませんでした。

ここで紅は馬五進三と指すと、次車四平九で殺になります。

ただ紅はコマ得なので、すでに勝勢です。ここから黒が粘り強く指しましたが、紅の勝利を止めることが出来ませんでした。

39. 帥四平五 士4進5 40. 車四退六 馬5進3

41. 帥五平四 士5進4 42. 馬五進三 将5平4

43. 馬三退二 車8平9 44. 車四進七 将4進1

45. 馬二進四 将4平5 46. 馬四退二 将5平4

47. 兵一進一 車9進3 48. 帥四進一 車9退1

49. 帥四退一 馬3退5 50. 帥四平五 車9進1

51. 帥五進一 馬5退4 52. 馬二進四 将4平5

53. 馬四進三 馬4進3 54. 帥五平四 馬3進4

55. 帥四平五 馬4退3 56. 帥五平四 馬3退5

57. 帥四平五(図3)

(図3)

ここまでで、黒の馬車には殺がありません。

次黒は車9平7と指すと、紅は次に車四平六将5進1(将5平6車六退一士4退5車六平五)車六平五士4退5馬三退五車7平6馬五退三将5平4炮二退二将4退1馬三退五将4進1車五平六将4平5馬五進三と進める殺があります。

ここで、黒投了しました。

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