今回は天津市濱海新区との交流会の棋譜を紹介します!
今回紹介する棋譜は楊帆さんに頂いた棋譜です!
開局の勉強にもなるので、みなさん是非参考にして下さい!(*´▽`*)
はじめに
(ここから楊さんのコメントです)
8/22-23の週末に天津チームとの交流試合を行いました。
相手はほぼ全員強豪選手なので、とても勉強になる対局が多くありました。
今回紹介する棋譜は今回の大会の中でも相対的にミスが少なく、実力を発揮することの出来た試合です。ちなみに、相手の陳さんは天天象棋で9-3のようです。
棋譜紹介
1. 兵七進一 炮8平3 2. 炮二平五 馬8進7
黒の炮8平3は金鈎炮と呼ばれる開局です。
仙人指路に対して、この対応はあり得ますが、黒は右側にコマが多すぎで、移動が不便です。紅は黒のこの弱点をどれぐらい利用できるのかが、この開局のポイントです。
第2回合の紅の中炮は積極的な指し方です。ここで、もし相を上がると、緩やかな展開になり、黒に陣形を調整する余裕を与えます。
3. 馬八進九 車9平8 4. 馬二進三 馬2進1
第3回合の紅の馬八進九は早めに左側のコマを動く手で、黒の右側の弱点に対しての対策性の強い指し方です。
5. 炮八進四 士4進5 6. 炮八平五 炮3平5
紅の炮八進四はこの一局のポイントです。これもこの開局を成功へ導くための一手です。
ここで、黒がもし初手に炮2平3と指した場合の、今のような展開の後の陣形を想像して下さい。黒が士象を上げて、紅は中卒を取り、黒が馬炮交換をし、紅には中炮がありますが、黒は担子炮でとても固い陣形なので、黒が対抗することが出来ます。これも仙人指路対卒底炮の開局でよくある戦いです。
第6回合で黒の3路の炮が再度動きました。これは歩数的に損です。ただ、ここで黒象3進5と守っても、担子炮ではないため、弱点があります。そのように考えると、中炮にして対攻するのも理解することが出来ます。
7. 車九平八 車1平2 8. 車八進六 炮2平4
紅の連続で先手の圧力をかける中、黒にミスが出ました。
第8回合で、黒は先に馬7進5と指すべきでした。次に炮五進四炮2平4車八進三馬1退2と進むと、紅には炮五平九の手がなくなります。このように進むと紅黒はまだ均勢です。
もちろん黒が中残局の力に自信があるため、簡単にコマを交換せず、局面の複雑さを維持する展開を望む気持ちはよくわかります。
9. 車八進三 馬1退2 10. 炮五平九 卒7進1
ここまでの開局は、紅はほぼ完璧に指すことが出来たと思います。
第10回合まで、紅はすでに兵が2つ多く優勢をもらいました。 第10回合で黒が車8進6と指すと、炮九平三馬7進5兵三進一と進み、これも紅が満足できるかたちになります。
11. 車一平二 車8進9 12. 馬三退二 炮5進5(図1)
第11回合で紅の車交換は正しい判断です。一見歩数では損ですが、黒の反撃の可能性を解消し、局面を平穏にしました。 今の局面では黒には反撃がなく、紅は簡明で兵が多い優勢があります。紅にとって勝ちか引き分けかという安全かつ有利な中局です。
ここからの数回合の攻防はほぼ紅のペースで、強制的に進み、黒には特にほかの選択がありません。
13. 相三進五 馬7進6 14. 炮九平一 馬6進5
15. 馬二進四 馬5退6 16. 炮一平五 炮4平5
17. 仕四進五 馬2進3 18. 炮五退一 馬3進5
19. 炮五進二 象7進5 20. 兵九進一 馬5退7
21. 馬九進八 卒3進1 22. 兵七進一 象5進3
23. 馬八退六 馬7進8 24. 馬六進七 馬8進9
第23回合の紅の馬八退六の選択はミスとは言えませんが、ここでは兵三進一と指し、兵交換により、確実に2つの兵を残した方が、後々より有利だったかもしれません。
第23回合で黒は馬7進8と象を捨て、兵をとりにいく手は強豪選手のさすがな総合判断力です。ここで、もし象3退5と指すと、紅は馬六進四で局面をコントロールすることが出来ます。
25. 馬七退五 馬9退8 26. 兵三進一 卒7進1
27. 相五進三 馬6進4 28. 馬四進五 馬4進2
29. 馬五進六 馬8進9 30. 相三退一 馬9退8
31. 馬六進八 象3進5 32. 馬八退六 象5退3
第32回合で黒は不利な局面でも粘り強く頑張りました。ここで、黒がもし象5退3と指さなかったら、紅は馬六進七で象をとることが出来ます。
33. 馬六退七 馬8進7 34. 相一進三 馬2進3
35. 帥五平四 馬7進8 36. 帥四進一 馬3退2
37. 兵九進一 馬2退4 38. 馬七退六 馬4退5
39. 兵九進一 馬5進7 40. 馬五退三 馬7進9(図2)
41. 馬六進七 馬9進7 42. 馬七退五 馬8退9
紅が兵をどんどん前に進め、もうすぐ攻撃を展開することが出来そうなところでミスをしました。第41回合で紅は士五退四と指すべきでした。次に馬9進7帥四平五と進むと、黒に次の攻撃手段がなく、紅はゆっくり攻撃を展開することが出来ます。
43. 帥四退一 馬9進7 44. 馬五退三
ここで、黒が妙手で強制的に馬を1つ交換しました。
紅は勝つための兵力がなくなり、引きわけになりました。
○おわりに
この試合紅が最後の残局でミスがあり、勝てなくて残念ですが、全体的に良い内容を指せたなと思います。特に仙人指路対金鈎炮の開局で、紅側の攻撃方法は参考価値があると思います。
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