“棋聚五洲”第1回世界シャンチー(象棋)インターネット棋王賽予選通過選手決定!日本チームの試合経過の様子と所司選手の評注入り棋譜紹介

インタビュー・対談

“棋聚五洲”第1回世界シャンチー(象棋)インターネット棋王賽の予選通過者が決定しました!

また日本チームの試合経過の様子と棋譜を紹介させて頂きます!

今回も所司和晴選手に評注入り棋譜を頂きました!

ありがとうございます(*’▽’)!!


○国内トップトピック・・・

予選リーグで日本の可児宏暉選手がNC/NV選手の中で1位になりました!!

素晴らしい!!!日本としては選手みんなが大健闘でとてもハッピーな大会で終わりました!


○前の記事

予選結果

予選通過者の紹介

(予選リーグの上位6名が決勝リーグに進みます)

1位  範思善(カンボジア)

2位  陳発佐(イギリス)

3位  羅兆强(カンボジア)

4位  濮方尧(ドイツ)

5位  王文賢(カンボジア)

6位  李亨鴻(マカオ)

決勝リーグには中国の王天一選手と徐超選手も加わり、8名でのトーナメント戦が行われます!

予選を通過された選手のみなさま、決勝リーグも頑張って下さい!!


途中経過

(日本チームの戦況と大会の様子)

5R

庄宏明(フィリピン) 勝 所司和晴

可児宏暉 負 鄧祥年(東マレーシア)

田中篤 勝 塞利亜兹尼奥(ベラルーシ)

楊帆 負 陳茗芳(シンガポール)

今日は7ラウンド制の大会では重要な後半戦の1試合でした。ここでは日本チームは田中選手だけ勝ちポイントを上げる結果に…。(田中選手の後半戦を見ようとしていた時に…とんちんかん(↓参照)がはじまりその対応で後半戦を見ないうちに終局していた…とんちんかん・・・)

このラウンドはみなさんの体力貯金ラウンドになりました。ただ明日、明後日がありますので、勝敗も重要ですが一番に内容重視で行って頂きたいところでしたので、そう言った意味では可児選手の対局は見ていてとても安心な質の対局でした。そして楊さんの対局相手は私のライバルであるシンガポール選手です。1ポイントにしてはとてもきついあたりでした。所司先生はとりあえずフィリピンの強豪庄宏明選手との対局で経験値を上げるラウンドだったかな…と言った感じです。対局後に開局の課題を手に入れた所司先生の今後の開局研究に期待が…(チームジャパン向けにそのうちまとめの発表の機会でもつくろうかと…←所司先生是非!)

○とんちんかん

今日はこんなに盛りだくさんな対局観戦でとても忙しかったのですが、観戦中に「とんちんかんちん とんちんかんちん 気にしない」「とんちんかんちん とんちんかんちん ????」「ちんども とっちめちん ????」とひたすら「とんちんかん」と言うメッセージが中国の友人からチャットにとどきました…「…へ?」となっていたら「什么意思?(どういう意味?)」と送られて来ました。「なぜ今!」「そしてなぜとんちんかん!」私今とっても重要な仕事中!と言うことで…何か返事はしたのですが、そもそもこの返答の正解はなんでしょう…どういう意味だい…?(どうやら一休さんの歌みたいで??)よく分からないですが私はとんちんかんなら気にします(と言うまとめ)

はい、みなさん明日も頑張りましょう!(←こっちのまとめも雑だった…笑)


6R

鄭義霖(東マレーシア) 和 可児宏暉

所司和晴 負 Olivier Tessier(カナダ)

林慶生(ハンガリー) 負 田中篤

杜銘(イギリス) 負 楊帆

今日も私は日本チームの観戦ツアーをしていたのですが、「ん?」田中選手の部屋にいっぱい観戦者がいる!!そして観戦者も多いところで田中選手わりと快勝でした!(途中から相手ももう時間の問題だな~と…)そして田中選手に続き楊さんも勝利!が…このあたりから所司先生の部屋の雲行きが怪しくなりはじめる…(ちょっと危険…と言うか普通に防衛が厳しい雰囲気…(+o+))、同時に可児選手の部屋では可児さんが優勢へ…(お~!!)可児さんの部屋はチームジャパンメンバーが集まっていました(*´ω`)結果は引き分けでした!この一局では中国系の選手の残局力を見た気がしました…「優勢でも勝たせてくれない…」(あるあるです)とは言え、この一局は本当に素晴らしい名局でした!!(←可児さん!棋譜欲しい!(完全に催促…笑))

○新敵現る(きみはいままでどこにいたのだい)

そして今日は日本チームに新たな強敵が現れた日でした。所司先生に勝利したOlivier Tessier選手…、NC/NVの選手ですが…強い!日本チームとしては今回の大会でNC/NVのライバルとして警戒していたのはセルゲイ選手でした。…が、他にも強豪が…!今後は要注意の相手と言うことで対策を考えなければいけない選手です。(大変だ~)

と言うか酒井さん(←いきなり登場チームジャパン仲間)教えて下さい…。この方はどうやらチェスの大師(←?)でチャンギの大会にも参加されているようなのですよ…( ;∀;)知っていますか~?万能プレーヤーならもう酒井さんが来て倒すしかないですね~!(と言うまとめになりました←え)

○またまたきました

松野さん(チームジャパン仲間)が「感染のしかたがわかりません」とのことで…(わからない方が良いのでは|д゚))もう井上さんのおかげで感染を見慣れてしまい、もはや感染と言う字が観戦に見えるぐらいにまでなりましたので全然気にしません( *´艸`)

さてみなさん、明日は最終局です!気合を入れましょう!


7R

可児宏暉 勝 許魯斌(東マレーシア)

田中篤 負 鄭義霖(東マレーシア)

陳茗芳(シンガポール) 負 所司和晴

楊帆 勝 李志毅(カンボジア)

ついに7ラウンド、最終局です!ちなみに日本チームとしては上位6位に入り予選通過は少し(←)無理そうなので、良い内容を指すこととNC/NVで一位をとることが目標です。しかし昨日NC/NVの去年の世界選手権優勝選手である所司先生がカナダ選手に負けると言う大事件が起こりました…。そしてネットでも所司先生を倒したカナダ選手が大注目を浴びていました…。他人事だけど他人ごとではない私は(←むしろとても私事です)ポイントを計算…私たちがNC/NV1位になれる可能性を考える…(最終局前は相手は7P、田中選手6P、可児選手6P、所司選手5P)対手分を計算してみたところ…(大変だ~)田中さんも可児さんも引き分けで相手が最終局負けて同じポイントになっても相手の対手分が上…、所司先生が勝って相手が負けても相手が上…(大変だ~←2度目)つまりこちらは勝って、相手が負けることでしか優勝はなし…。これを選手に対局前に言うべきかどうかでとても悩みましたが…、言ってみました「(戦況説明)…と言うことなので、頑張りましょう!別にプレッシャーをかけているわけではないですよ…(←)」と…、わりと選手の皆さんは開き直って「了解です、頑張ります」と言った感じで案外す~っと受け入れられました!

そして緊張の最終局はもう…あっちいったりこっちいったり…

そして何だか大変な可児選手の局面…(観戦していても良い手が浮かばない…)そんな中、可児選手が途中でコマすてた~!!(←どうしようかと思いました。)が、そこはもう応援するしかないので松野さんとブツブツつぶやきながら観戦していました。それはもう大変な観戦でした。しかし何だか少しずつ可児選手のコマが前へ前へ…、あれ?これコマ取り返したじゃん!と・・・そして可児さんがコマを取り返した局面が…「可児さん優勢じゃん!」と言うことでさらに盛り上がる盛り上がる…!勝勢になった瞬間カナダのNC/NVライバルの様子を見に行ったのですがすでに終わっていて結果不明…とりあえず可児さんの勝利をみんなで見届けました。(まだ結果が出ていないので日本チームはみんなで長引いているセルゲイ選手の部屋へ観戦へ…ここでもみんなでブツブツ観戦…みんな真面目と言うか…素晴らしいチームのつながりだなと感じました!)

そして結果が…

可児さん1位!!

(*´▽`*) ヤッター!

やった~!!やった~!!

いや~ながいながい夜でした。とても嬉しい。

ラグビーでちょっと前に日本中が盛り上がっていましたが、比べものにならないぐらい私はこの大会で盛り上がっていました~!(←ものすごかった)もっと広範囲でこの盛り上がりがおこるように頑張ろうと思いました!(←どんな)そしていつか日本のシャンチー選手の大熱戦がもっと多くの方に注目してもらえるようになれば良いな~と思います!

…でも今日は寝るまで可児さんが炮をすてた場面が浮かびそう…(笑) でもとにかく嬉しいのでよく眠れそうです(*^^*)


○可児選手にNC/NV一位の感想を頂きました

「NCNV でトップの成績が取れて嬉しいです!全体的に内容も良く、上位に入った格上相手からもポイントが取れたのは自信になりました!大会を通して課題も見つかったので、もっと強くなれるよう頑張ります!」


可児選手のこの大会の歩みは本当に素晴らしかったです!普通に強い相手から普通にポイントをとる可児選手…(すごい!)棋譜の内容も名局ばかりです!本当に一位おめでとうございます!

今回の大会を振り返ると、日本人選手のみなさんは大会全局とても素晴らしい対局をされていました!田中選手の対局も素晴らしかったですし、所司先生は重要なセルゲイ選手との一局をきれいに決めました!楊さんも前半の強豪相手との対局、後半戦ともに良い内容でした!私は自称監督と言うことで(←?)みなさんの素晴らしい対局を同じ時間の中で共有することが出来、本当に大満足な一週間でした!

選手のみなさん、本当にお疲れ様です!

そして皆さんの今後のご活躍を応援しています!!


棋譜紹介

所司和晴選手に4ラウンドの棋譜の評注を頂きました!

この一局はNC/NV同士の対局でとても注目された一局でした!

所司先生、ありがとうございます(*’▽’)

(評注の文章と図の位置が離れていて読みずらいこともあるかもしれませんが、ご了承ください)


紅方:所司和晴

黒方:セルゲイ(ベラルーシ)

結果:紅方勝ち

インターネット世界大会4回戦です。  

ここまで1局目負け、2局目引き分け、3局目勝利となり、調子が出てきたところです。 4局目はベラルーシのセルゲイ選手とで、お互いノンチャイニーズ同士の対戦となりました。 セルゲイ選手とは昨年はマスター選手権で勝ち、ペアマッチで負けています。 日増しに強くなられている印象で、インターネット世界大会の3回戦は途中から観戦しましたが、苦しい戦いを持ち時間が少ない中で引き分けに持ち込み、強いなあという印象がありました。  

1. 兵七進一 炮2平3 2. 相七進五 馬2進1

3. 馬八進七 車1平2 4. 車九平八 炮8平4

私が紅方となったので、作戦の主導権は主に私にあります。 仙人指路で行くのは決めていましたが、卒底炮で来られたときの作戦に迷いました。 実際に卒底炮で来られ、昨年の途中から多く採用した相七進五を選びました。 炮8平4では炮8平5が一般的ですが、本譜の順は中国レーティング1位の王天一選手とアジア個人戦で指した順と同じになりました。

 5. 炮八進四 馬8進7 6. 馬二進一 車9平8

6着目馬二進一は炮二平四もあります。

7. 車一平二 車8進4 8. 炮二平三 車8平4

9. 車二進六 卒1進1 10. 車二平三 卒3進1(図1)

(図1)

9着目車二進六は考えた手ですが、本筋の展開ではないように思います。 車二進四が無難ですが、黒方から卒1進1~馬1進2が間に合うと苦しい戦いと思い指しました。 車二平三と圧馬にしておけば、馬1進2なら炮8平5があります。 しかし卒3進1が当然の一手で、すでに紅方大変に感じました。  

11. 炮八平七 象3進5 12. 車八進九 馬1退2  

13. 兵七進一 車4平3 14. 馬七進八 馬2進1

15. 炮七平六 車3平2 16. 馬八退七 車2平4

17. 炮六平八 車4平2 18. 炮八平六 馬1進3

19. 炮六退五 馬3進5 20. 車三平四 車2平3(図2)

(図2)

図1で炮八平七は狙い筋ではありましたが、正しく応じられて指しにくさを拡大したかもしれません。 ここは車三退二の辛抱も考慮すべきでした。

本譜は車交換で私が手得したようですが、紅方の左翼が弱いので神経を使います。 実際馬1進3と活用されたあたり、紅方苦しいです。 次は車2平4で炮が死んでしまいます。炮六退五は後手を引いてつらいですが、最善のがんばりです。

ここは黒方十分ですがどう指すかは難しく、次の手は3分ギリギリでした。 時間ギリギリでの馬3進5が疑問手で、車三平四として黒方が忙しい局面になったと思いました。 ここで車2平3が悪手で失着となりました。

21. 炮六平七 炮3進5 22. 炮七進四 炮3平7  

23. 炮七平六 炮4平2 24. 兵五進一 馬5退7

図2から炮六平七で急に黒方優勢になりました。 車と馬、炮の交換になり、紅方が駒得です。それと大きいのが7路の炮か5路の馬が死にそうな状態です。23着目炮4平2で馬5進4としても車4退4、馬4進3、炮六退四で紅方大丈夫です。 兵五進一で馬を追って紅方安心です。さらに兵一進一がピッタリの手で、黒方は動きが取れません。

25. 兵一進一 炮2進3 26. 車四退四 前馬進6

3分ギリギリで炮2進3は勝負手でした。

私も怖いですが強気に呼び込んで戦いました。

27. 兵五進一 馬6進4 28. 車四平三 卒5進1

29. 車三平二 卒5進1 30. 馬一進二 馬4進3

31. 炮六退四 炮2進3 32. 帥五進一 馬3退4

33. 炮六進一 馬7進5 34. 馬二進四 馬5進3

35. 馬四進六(図3)

(図3)

33着目炮六進一とジャンを受けて一安心です。 辺馬も調子よく馬二進四といい場所に運べました。 さらに馬5進3に馬四進六(図3)となった局面で、セルゲイさんの時間が切れての勝ちです。

図3は馬六進七、将5進1、車二進六と馬六進四以下の両方の詰みがあります。図3で士4進5としても馬六進七で殺です。奥に六路の方がひかえています。 図3では士6進5がこの一手の受けになります。対して私の方は馬六進七、将5平6、車二進四(次は殺)とし、受け方によっては車二平八と守る手も考えていました。 このまま一息つくと馬3進2が殺で、紅方も危なくなりますので。

持ち時間もたくさんあったので、もう間違えないと思いましたが、時間切れ勝ちでホッとしました。 これで2勝1敗1和と勝ち星が先行しましたのでうれしいです。

ただ次の対戦、フィリピンの荘宏明選手はとても有名な強豪選手で大変です。

コメント

  1. 酒井 より:

    Olivier Tessier選手はこの写真の右の人です。
    https://ja-jp.facebook.com/groups/141505600310/permalink/10163096328770311/

    調べたらチェスはFIDE ratingが2069でしたので、将棋で言えばアマ四段クラスで、それなりに強いという感じですね。
    なお、チェスのFIDE masterのタイトルは2300以上必要ですので、大師相当ではありません。

    チャンギは1回だけ大会で当たって負けましたが、いい勝負だと思います。

    シャンチーは去年瀋陽に行ったときに遊びで指しましたが、やや良しの局面で後の予定があって時間切れ引き分けでした。
    そのときは、馬八進七、砲二平五、馬二進三、兵五進一、砲八退一、砲八平五、車九進一、車九平六という形を作って攻めてこられましたが、その後、いろいろ勉強したのでしょうか。

    • Chizuru より:

      酒井さん

      コメントありがとうございます!!
      チェスの大師は2300!なるほど!!
      とは言え…チェスやチャンギのレベル感…とは言え酒井さんがチャンギで負かされるとは…
      しかもシャンチーまで指していたとは…!!!(色々と新しい情報です…!)
      わざわざ瀋陽まで大会に行くぐらいなら、やはりチャンギがメインの方なのでしょうか・・・?

      やっぱりあれですね・・!ここは何でも出来るプレーヤーと言うくくりで、酒井さん担当の選手ですね…!
      (チェス・チャンギ・シャンチーの三面対決で良いのでは…あれ?そうすると酒井さんはどれが一番得意なのでしょうか?)

      でも酒井さんとの対局の棋譜を見ると…
      去年この棋譜で今年所司先生に勝ったと言うのは…進歩が速すぎると言いますか…(おそろしいですね…)
      他の棋類が出来るとそんなに進歩がはやいものなのでしょうか…|д゚)

  2. 酒井 より:

    以前に仕事で韓国に住んでいたことがあり、チャンギはそのときに一生懸命勉強したそうです。
    今はカナダに戻っていろいろやられているようですね。

    • Chizuru より:

      酒井さん

      なるほど!住んでいたなら納得ですね!
      でも一生懸命勉強…|д゚)
      次はシャンチーを一生懸命勉強の予感…

      酒井さんが先に知り合っていたことにビックリですが、なんでもできる対決は酒井さんに是非頑張って頂くと言うことで…(´・ω・`)←ほかに頑張れる人が…いない!

      いや~今後どうなるのか楽しみですね!
      ライバル登場は良いことですね!!

  3. […] […]

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